香りの評価

食物のおいしさを評価するにあたり、舌で感じる基本五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)や辛味・渋味に加えて、香りも重要な要素です。
また食品の鮮度も敏感に反映するため、品質管理の観点からも重要な要素です。

人が感じる香りや異臭は、非常に多くの成分が複合的に関与するため、総合的な評価が可能な官能試験が広く用いられています。
一方、機器分析を行うことで香気・異臭の原因となる物質を幅広く検出、同定し、その濃度を確認することが可能です。

また得らえたデータの解析により、香気・異臭に寄与している成分を特定することが可能なため、
官能試験を補完して香気・異臭を客観的に数値化することができます。

導入例:品質管理

HS-20 NX+
GCMS-QP2020 NX

導入例:研究・商品開発

AOC-6000 Plus+
GCMS-QP2020NX

ルーチン分析、既知成分の定量/
品質管理
ヘッドスペース(HS)法+GC-MS(/MS)

HS-GC-MS/MSを用いたビールの測定例(TIC)

高濃度試料の分析や既知成分の分析に最適なHS-GC/MS(/MS)法をご紹介します。ヘッドスペースサンプラーはバイアルに封入された試料を一定時間保温することで気相と試料を平衡状態にして、その気相部分(ヘッドスペース)をガスクロマトグラフ(GC)に導入し分析するための装置です。

液体・固体まで幅広い形態の試料を分析可能で、特殊な前処理が必要なく操作も簡易なため、品質管理などで広く用いられています。またトラップHS法は、電子冷却トラップを用いた濃縮を行うため、微量の香気・異臭成分も高感度に分析することができます。ここでは香気に重要な500成分以上の測定条件Smart aroma databeseとHS-GC/MS法を用いた品質管理を想定したビール中の香気成分分析例を一例として示します。

ヘッドスペース法
(シリンジ方式)

HS-20 NX+GCMS-QP2020 NX

【ヘッドスペース(HS)法+GC-MS(/MS)とは】

ヘッドスペースサンプラーはバイアルに封入された試料を一定時間保温することで気相と試料を平衡状態にして、その気相部分(ヘッドスペース)をガスクロマトグラフ(GC)に導入し分析するための装置です。液体・固体まで幅広い形態の試料を分析可能で、特殊な前処理が必要なく操作も簡易なため、品質管理などで広く用いられています。またトラップHS法は、電子冷却トラップを用いた濃縮を行うため、微量の香気・異臭成分も高感度に分析することができます。

微量成分の測定、探索/研究・開発
固相マイクロ抽出(SPME)法+GC-MS/MS

SPME-GC-MS/MSを用いた牛乳の測定例(TIC)

極微量の成分の測定や、対象成分を高選択性・高感度な測定に最適なSPME-GC/MS(/MS)法をご紹介します。SPMEファイバーに揮発性成分を濃縮することで、迅速・簡便に、高感度に微量成分を測定することができるため香りに寄与する成分の探索など研究開発において有効です。SPME法と組み合わせることで、香気に重要な500成分以上の測定条件 Smart Aroma Database は研究開発においても活用が可能です。

SPME法

AOC-6000 Plus+GCMS-QP2020NX

【固相マイクロ抽出(SPME)法+GC-MS/MSとは】

SPMEファイバーに揮発性成分を濃縮し、GC・GCMSに試料導入する方法で、他の試料導入法と比べて、迅速・簡便に、さらに溶媒を使用せずに揮発性化合物を濃縮できるというメリットがあります。SPMEの最新技術であるSPME Arrowは、従来のSPMEファイバーに比べ、大容量の吸着剤が塗布されており、高感度分析が可能です。さらに、太く頑丈な構造のため、高い耐久性を誇ります。

香気成分分析
香気分析用データベース:Smart Aroma Databese

香気の原因となる物質は非常に多く、それらの測定条件を構築し、膨大な測定結果から寄与する成分を特定することは多くの労力とコストが生じます。Smart Aroma Databaseでは、香気に重要な500成分以上の分析情報や化合物情報が登録されています。保持時間、特徴的なイオンおよびマススペクトル情報を利用して、従来の網羅的な分析手法では解析しにくい香気成分も、確実かつ簡便に検出することが可能です。

香気成分の探索を目的としたデータベース

  1. (1)スキャン測定の香気成分を高精度に自動検出

    重要な香気成分511種類の分析に必要な情報が登録
    保持時間、マスクロマトグラム、マススペクトルの3種類の同定要素により高精度な香気成分の検出を実現

  2. (2)香気に寄与する化合物を簡単に絞り込み

    登録化合物の官能情報と半定量値機能により香気に寄与する化合物の解析が可能

  3. (3)MRMやSIMによる高感度なターゲット分析をサポート

    標準試料を用いることなく、MRMやSIMモードの高感度なターゲット分析用メソッドを作成

  4. (4)香気分析の多様なシステムに対応

    香気分析で使用される種々のサンプラや匂い嗅ぎGC-MSに対応

検出された化合物から香気に寄与する成分の解析に、においの質と強度を活用可能。

1:感度補正物質の測定

2:検査線の修正

においの強度(湿度)においの質

  • ※半定量結果は、装置の状態により真値と異なります。また、前処理での抽出効率は加味されていないため、使用する前処理装置によって結果は異なります。正確な定量結果を必要とする場合には必ず標準試料を用いた定量試験を実施してください。
  • ※HS-20シリーズでは、半定量機能は対応していません。

異臭分析
異臭分析システム

異臭の問題を解決するためには原因物質の特定が必要です。しかし、正確な特定のためには、どのような成分が異臭の原因になるか、また、それらのにおいの質や臭気閾値判断などの知識や経験を必要とします。GC/MS異臭分析システムは、分析に必要なパラメータと主要な異臭原因物質の情報(においの質、臭気閾値など)が登録されたデータベースで構成されるシステムであり、異臭分析の知識や経験を持たない作業者でも簡単に異臭分析を行うことができます。

香気成分の探索を目的としたデータベース

  • 過去の異臭事件で検出された成分に特化してデータベース化
  • 登録された保持指標より分析メソッドを自動作成(標準試料は不要)
  • 異臭成分の官能情報(においの質、臭気閾値)を登録

異臭品のにおいの確認

カラムの選択

装置情報を設定して分析

臭気閾値と濃度を比較

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