質量分離部やイオン検出部は、粗挽き真空ポンプとターボ分子ポンプにより高真空に保たれています。これは、発生したイオンを検出器まで効率よく到達させるために必要です。真空度が悪い状態とは酸素や窒素といった空気の分子が大量に存在している状態であり、下図のように空気の分子との衝突により目的化合物のイオンがまっすぐ進むことができず、検出器まで到達しにくくなってしまいます。高真空にすることでイオンが効率的に検出器まで進むことができ、微量なイオンも感度よく検出することが可能になります。

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