Q. 天びんを選定するときの基準について教えて下さい。

A. まず、試料の最大の重さ(ひょう量)、どこまで細かく量るか(最小表示)、試料寸法(秤量皿の大きさ)を基本にお選び下さい。それ以外に、取引・証明用途に使用するか(国家検定付・特定計量器)、ISO9000/GLP/GMPなどへの対応が必要か(時計機能内蔵、ISOプリント機能等)、データをパソコンに取り込む必要があるか(Windows直結機能等)、などもご検討下さい

Q. 「シングルレンジ」「デュアルレンジ」「ワイドレンジ」の違いは何ですか?

A. 分解能の違いです。

例えばBX3200S(シングルレンジ)とBX3200H(ワイドレンジ)を例に取りますと、これらの天びんはどちらもひょう量(どれだけの重さのものが載せられるか)は同じ3200gです。 ところが最小表示(最小桁がどこまで読み取れるか)はBX3200S(シングルレンジ)は0.1gであるのに対しBX3200H(ワイドレンジ)はさらに一桁細かい0.01gです。
同じひょう量ではワイドレンジ形はシングルレンジ形に比べて、より小さな質量差を検出することができます。大きなものでも高い分解能で測定したい場合に便利です。
次にデュアルレンジについてですが、上述のワイドレンジとシングルレンジの中間に相当します。同じひょう量の3200gを例に取るとBX3200D(デュアルレンジ)は3200gのものを測定する場合は最小表示0.1gとなります。ところが600g以下のものを測定するなら、最小表示は一桁細かい0.01gとなります。
大きなものを測定しても、小さなものを測定してもおおよそ同じ位の分解能で測定したい場合に便利です。また、別の言い方をすれば、デュアルレンジ形はシングルレンジ天びん2台が1台の天びんの中に入っているともいえます。

Q. 「国家検定付」が必要になるのはどのような場合ですか。

A. 計量器を 取引・証明のために使用する場合です。

「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいいます。

例えばお肉屋さんのはかりでg当りいくらで売買するとか、薬局での調剤などがこれに当たります。逆に研究・開発や、製造の中間管理工程での質量測定はこれには該当しません。

なお、平成5年に改訂された計量法により、平成13年11月1日以降は使用できなくなる特定計量器(旧法では特定計量器ではなかったが届出することにより平成13年10月31日まで使用が認められたはかり)がありますので、ご注意下さい。

Q. GLPやGMP、ISO9000シリーズなどのスタンダードに合致させる体制を構築するためにはどのような天びんが必要ですか。

A. これらのスタンダードに対応するには、使用する天びんは予め自部門で定めた基準内に調整されている必要があり、定期的に点検し、その結果を記録として残しておかねばなりません。

日常的に行わなければならない点検項目としては天びん本体や表示器の汚れなど外観、水平、感度チェック(校正)などがあります。

  • 感度チェックの際、校正分銅内蔵形の電子天びんであれば簡単に検査ができます。
    また、完全自動校正形、タイマーCAL機能など天びんが自動的に校正を行ってくれる機種もあります。
  • 検査の記録は必ず検査した日時を明記して保管する必要がありますが、ISOプリント機能内蔵機種では、プリンタを接続すれば、天びんの校正記録を日時入りで残せます。

これらの機能を有した天びんをご使用になれば大変便利です。

また、当社ではお客様ご所有の分銅や、天びん・はかりのJCSS校正サービスも行っております。

Q. 天びんのデータをパソコンに取り込むにはどうすればいいですか。また簡単に取り込める天びんはありますか。

A. 当社では“Balance Keys" と "Multi-Balance Collect"の2つのソフトウェアを用意しています。

詳しくは天びんデータ収集ソフトウェアのページをご覧ください。
(無料でダウンロードもできます)

なお、取り込みソフトを自作される場合は各種天びんの取扱説明書に掲載されております、通信コマンドを参照下さい。また、Visual Basicで作成される場合のヒントをこちら(PDF 179KB)へまとめましたのでご参照下さい。

各種シーケンサへ取り込む場合 →シーケンサ(PLC)と天びんの接続手順(PDF 144KB)