QITによる多段階質量分析 − 糖鎖構造解析の流れ −

QITによる多段階質量分析 − 糖鎖構造解析の流れ −

1.糖鎖由来イオンの提示

MS測定

MSスペクトルで検出されたピークの中から検索条件に合致した糖鎖由来イオンを表示します。データベース中に収録されている糖鎖以外にも,理論上存在しうる糖鎖由来イオンも表示されます。
表示された糖鎖由来イオンを選択することで構造同定のためのMS/MSスペクトル条件が設定されます。

糖鎖由来イオンの提示

2.候補構造の提示,MS3プリカーサイオン候補の提示

MS/MS測定
候補構造の提示,MS3プリカーサイオン候補の提示

MS/MSスペクトルで検出されたプロダクトイオンの中から構造識別に有用なMS3スペクトルを測定するためのプリカーサイオンを優先順位をつけて表示します。糖鎖解析に関する専門的な知識と経験がなくてもデータベースと連動することで糖鎖構造同定が簡便に行えます。

3.構造異性体の判別

MS3測定
構造異性体の判別

多段階MSnスペクトルをデータベースと照合することで構造同定を行います。 最大でMS4スペクトルまでの測定結果を照合できます。
クライアント2からワンクリックによりWebブラウザー上に同定された糖鎖構造が表示されます。

4.同定結果表示

測定からわずか数分1)での簡便な糖鎖構造同定を実現します。

スコアリング機能によって同じ質量の構造異性体も区別して同定することができます。同定された構造に関しての参照スペクトルを確認したり,同定された構造から日本糖鎖科学統合データベース(JCGGDB)にリンクして関連情報を取得することもできます。

同定結果表示

1)サンプル量等により通常よりも時間がかかる場合があります。

参考文献 1. A. Kameyama, H. Narimatsu and et al.,Anal.Chem., 2005, 77, 4719.4725
     2. A. Kameyama, H. Narimatsu and et al.,J.Proteome Res., 2006, 5, 808.814

※外観および仕様は改良のため,予告なく変更することがあります。