Shim-pack MAqC-ODS - 特長
高速・高分離カラム Shim-pack MAqC-ODS
水溶性ビタミンの一斉分析例
水溶性ビタミンは,極性の高い塩基性成分が多く,これらの成分は逆相モードでは保持が弱いことが知られています。このため,Shim-pack VP-ODSのような一般的なODSカラムでは,イオンペア試薬を移動相に添加して分析します。しかし,イオンペア試薬を用いた場合グラジエント溶離が利用し難いため,溶出の遅い成分のピークが広がってしまい,感度向上が困難です。また,移動相調製に手間がかかることやカラムのコンディショニングに時間がかかるという点も課題でした。
Shim-pack MAqC-ODS I では,グラジエント溶離が可能なため分析時間が短縮できるとともに,溶出の遅い成分でもシャープなピークが得られ,例えば,通常のODSカラムで最後に溶出するリボフラビンでは約2.3倍の高感度化も達成できました。
水溶性ビタミンの一斉分析例(汎用カラム VP-ODSとの比較)
医薬品不純物の分析例
医薬品の多くは塩基性化合物です。医薬品の不純物である未反応の原料や副生成物・分解物も同様に,高極性の塩基性成分が大部分を占めます。不純物ピークの解析にLC/MSを用いる場合,不揮発性のイオンペア試薬が含まれていると分析は困難です。以下のファモチジンの分析例でShim-pack MAqC-ODS I で分析した際に用いた移動相では,自動前処理システムCo-Sense for LC/MS等を利用して移動相の脱塩を行うことで,LC/MS 測定も可能です。なお,比較のShim-pack VP-ODS での分析条件は,第十六改正日本薬局方に従っています。通常のODSカラムでは12 種の不純物が検出されましたが,Shim-pack MAqC-ODS I では,分離特異性およびグラジエント溶離の活用により20種の不純物を検出することができました。
医薬品不純物の分析例(汎用カラム VP-ODSとの比較)
感冒薬の分析例
市販感冒薬(OTC医薬品)中に含まれる成分に着目し,Shim-pack MAqC-ODS I でグラジエント溶離を利用し一斉分析をしました。水溶性ビタミンや医薬品不純物の例と同様に,溶出の遅い成分もグラジエント溶離が利用できることによりピークがシャープになっています。
感冒薬の分析例
製品情報
カラム名称 | 粒子径 | 耐圧 | 長さ | 4.6 mmI.D. | 2.0 mmI.D. |
Shim-pack MAqC-ODS I | 5 μm | 20 Mpa | 150 mm | 228-59936-91 | 228-59936-94 |
※本カラムを有効に活用いただくために
1) 本カラムは塩基性化合物の保持を強めることを目的としていますので,緩衝液はpH2~4の範囲でご使用ください。
2) 塩基性物質がテーリングするような場合には,緩衝液の塩濃度を高めることで,改善できる場合があります。
3) 塩濃度を高めると塩基性化合物の溶出は早くなることがあり,塩濃度によっても保持調整が可能です。
本製品は,エーザイ株式会社と共同により開発しました。