MultiNA II MCE-301 - 特長
マイクロチップ電気泳動システム
Simple and Smart Workflow
自動化による生産性と信頼性の向上
使いやすさを徹底追及し、信頼性のある分析を簡単な操作で実現します。直感的なソフトウェア操作と明快な自動分析フローにより、ラボの生産性を大幅に向上させます。
STEP 1 信頼性
分析スケジュールを登録
サンプルラックは装置から取り出して扱えるので、手元を確認しながらサンプル登録できます。ソフトウェアは直感的な操作で、分析の順番も選択可能です。スケジュールの保存、インポート/エクスポートにも対応します。
STEP 2 作業性
サンプルと試薬をセット
サンプルと試薬をセットし、装置に差し込むだけで分析を開始できます。
STEP 3 作業性
開始ボタンクリック
分注からマイクロチップの洗浄まで、装置が全自動で行います。データは分析中のものから逐次表示されるため、すぐに結果を確認できます。
分析結果確認 利便性
直観的な解析ソフトウェアにより、目的の情報を瞬時に確認できます。
新たなワークフローを実現する新機能
サンプル希釈の自動化
定量可能な濃度範囲内に収まるようにサンプルを純水で希釈することができます。倍率(5 倍、10 倍、20 倍)を設定すると装置が自動でサンプルを希釈します。※1
※1 希釈機能は48サンプル以下の場合に利用できます。希釈後のサンプルを分注するチューブが別途必要になります。
分析中のサンプル追加
分析中の装置を一時停止し、合計120サンプルになるまでサンプルを追加することができます。複数ユーザーのサンプルを分析する場合にサンプル調製の時間を合わせたり、進行中の分析の完了を待つ必要がありません。
ゲルイメージの並び変え
サンプルの分析順序に関わらず、任意にゲルイメージを並び替えることができます。
過去データとの比較・解析
過去の分析データも並べて比較できます。従来製品(MCE-202 MultiNA)で取得したデータの読み込み・解析※2 も可能です。
※2 解析は一部試薬キットでは非対応です。
作業性
自動分析で大幅な時間短縮
10分の準備作業で分析が開始可能です。全自動分析のため、作業時間を大幅に削減します。オーバーナイトでの分析も可能で、研究・業務に専念する時間を確保できます。
信頼性
検量線による自動推定
推定サイズと濃度を自動算出するため、客観的な結果が数値として得られます。分析毎に内部標準試薬を用いて補正を行うため、より信頼性の高いデータを取得できます。
利便性
データ活用の利便性
様々な機能を搭載した専用の解析ソフトウェアを用意しており、アプリケーションに応じたデータ処理をサポートします。
Enhanced Analysis Functions
さらに強化された解析機能
RNA
RNA劣化指標:RII(RNA Integrity Index)
抽出されたRNAは時間が経過するにつれて分解が進みます。MultiNAでは独自の評価方法としてRIIを算出できます。他社装置から算出された劣化指標との相関は決定係数0.95以上を示します。
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mRNA分析:純度評価への適用
Cas9 mRNA(4522 nt)とEPO mRNA(859 nt)を濃度比で4:1、10:1、20:1、100:1となるように混合し、MultiNAで分析しました。いずれの割合においてもEPO mRNAを明瞭に検出できました。 -
DNA
フィンガープリンティング解析
ポジティブコントロールが存在する解析では、サンプル中の各DNA断片の有無を自動判定できます。解析後は、結果の一覧表示や同じ型のサンプルをグルーピングして表示できます。
Thoroughly Friendly System
ユーザーに寄り添うシステム設計
直感的なソフトウェア
ゲルイメージの並び替えに加え、サイズガイド(赤線)によるゲルイメージやエレクトロフェログラムでのサイズ推定値表示も簡単にできます。
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着脱式のサンプルラック
装置から取り外しでき、96プレートを設置できます。試薬キットは2種類までの混載が可能です。
Further Expandable Applications
新機能で広がる豊富なアプリケーション
ゲノム編集
グルーピング解析、モル濃度比解析機能により、ゲノム編集サンプルのスクリーニングを強力にサポートします。
ゲノム編集ツールにより導入された欠失変異の検出
ゲノム編集ツールの登場により、これまでに遺伝子改変が困難であった生物への適用が可能となったことから、ゲノム編集を活用した研究は急速に普及しています。ヘテロ二本鎖移動度分析は迅速・簡便・安価に実施できる、変異導入の評価方法のひとつです。へテロ二本鎖DNAは電気泳動での移動度が遅くなる傾向があるため、変異の有無と遺伝子型を判定できます。
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グルーピング解析
サンプル毎にヘテロ二本鎖移動度分析のバンドパターンの相関値を算出し、同一変異型のサンプルをグルーピングします。今まで目視で判定していたホモ/ヘテロの識別や変異型の識別を自動検出し、一括で表示することができます。
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モル濃度比解析
対象とするサイズレンジを指定することで、そのサイズレンジ内に存在するピーク(バンド)のモル濃度比を算出することができます。HMA、Cel-Iアッセイ、PCR-RFLP等のデータを解析することで、設計したゲノム編集ツールの変異活性を定量的に評価できます。
Analytical Intelligenceは、島津製作所が提案する分析機器の新しい概念です。システムやソフトウェアが、熟練技術者と同じように操作を行い、状態・結果の良し悪しを自動で判断し、ユーザーへのフィードバックやトラブルの解決を行います。また、分析機器に対する知識や経験の差を補完し、データの信頼性を確保します。
NGS
高感度キットとスメア解析機能、RNA の劣化指標算出機能により、NGS サンプルの品質評価が簡単に実施できます。
NGSライブラリのQuality Control
次世代シーケンサー(NGS)において良質な結果を得るためにはNGSライブラリのサイズ分布と濃度を把握する必要があります。スメア解析機能により平均サイズや濃度を算出できます。また高感度キットとの組み合わせで5 pg/µLまでのライブラリの評価が可能です。
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高感度キット
高感度キットとの組み合わせで低濃度のライブラリの評価が可能です。
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ジェノタイピング
フィンガープリンティング解析機能により、遺伝子型判定が容易になります。
食肉の品種判別
見た目や質感などで種の判別が困難な場合は、遺伝子に基づく方法が有効です。例として食肉は、生鮮・加工の状態によっては見た目や風味では確実に判別できないことがありますが、PCRと制限酵素処理を組み合わせることにより精度の高い品種判別が可能です。
ECO Functions, Energy Saving
省エネデザイン
MultiNA(マルチナ)IIは従来比30%減の消費電力を実現しました。筐体高さは従来比73%で狭いラボ空間にも設置が可能です。
そして、洗浄に必要な純水の消費量は従来比60%以下のため廃液を削減でき、環境負荷の低減に寄与します。
省エネの実現
電力消費は従来比70%に削減。分析時のランニングコストを抑制するだけでなく、CO2排出量を抑制して脱炭素社会の実現に貢献します。
節水
洗浄に必要な純水の消費量は従来比60%以下となり、廃液による環境負荷の低減に寄与します。
省スペース化
従来機種と比べ装置の設置面積は85%、高さは73%を実現(フロントドアオープン状態)。容易に設置でき、ラボのスペースを効率的に利用できます。