ELEM-SPOT™ - 特長
元素選択式ガスクロマトグラフ質量分析計
Spotting Targets Selectively
選択性:ターゲットを確実に捉える
炭化水素化合物をGCで分離した後、燃焼触媒リアクターで化合物を酸化分解し、MSのSIM(Selected Ion Monitoring)を用いて検出します。酸化ガスに同位体酸素(18O2)を使用することで、これまで困難であった微量な含酸素化合物の分析が可能になりました(特許:WO 2017/114654)。また酸化ガスに、16O2 の通常の酸化ガスを使用すれば、含窒素化合物の選択的な検出も可能です。
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GC-Comb-MSモード
GC-Comb-MSモードは、GCの後段、 MSの前段に燃焼触媒アクター (Combustion Unit; Comb)を接続し た構成です。このモードでは含酸素/ 含 窒素化合物を選択的に検出できます。 炭化水素化合物をGCで分離した後、 燃焼触媒リアクターで化合物を酸化分 解し、MSのSIM(Selected Ion Moni - toring)モードで検出します。
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GC-Comb-MS(含酸素分析)のMSクロマトグラム
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(1) Cyclohexanone (8) Hexylbutyrate (2) 2-ethoxyethylacetate (9) Dodecane (3) Benzaldehyde (10) Phenethyl acetate (4) Dimethyl malonate (11) Dimethyl phthalate (5) 2-pentyl butyrate (12) Acephatene (6) Acetaldehyde (13) Dibenzofurane (7) 1-octanol (14) Eicosane ※含酸素化合物か否かを判定し、特異なクロマトグラムが得られます。
※(9)、(12)、(14)は酸素を含まない化合物です。
MSダイレクトモード
MSダイレクトモードは、一般的なGC-MSの構成です。ELEM-SPOTシステムは、構成流路を切り替えることで、燃焼触媒リアクター を介さない一般的なGC-MSでの分析も可能です。
Securing a Seamless Workflow
柔軟性:途切れの無いワークフロー
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GC-Comb-MSモードでは特定のヘテロ化合物を高感度かつ選択的に分析し、MSダイレクトモードでは一般的なGC/MSでの分析ができます。これらのモードは装置制御ソフトウェアLabSolutionsから簡単に設定、制御することができ、両モードでの分析を簡便かつ迅速に実現できます。
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酸化ガス切替を自動化
GC-Comb-MSモードにおいて微量酸素 / 微量窒素分析のための酸化ガスを島津GC独自のガスセレクタで自動切換え可能です。
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普段のメンテナンス作業を簡便化

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ワンタッチでGC注入口メンテナンス
ワンタッチで試料注入口を開閉工具を使わず、試料注入口のメンテナンスが可能なClickTekナットを標準搭載しています。
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反応管の交換を簡単に
反応炉は横置き方式を採用することで、反応管へのアクセスが容易になり、交換時も反応炉を分解する必要がありません。
Supporting Cutting-Edge R&D
応用力:先端研究開発を支援
バイオマス、ケミカルリサイクルなどカーボンニュートラル関連の研究開発において必要不可欠な分析結果を提供します。
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木質バイオオイル中の含酸素化合物の分析
バイオオイルの原料となるバイオマスには、オイルを精製する触媒を被毒する含酸素化合物が多く含まれているため、それらを特定して除去する必要があります。
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フェノール類の水素化処理触媒能力の経時変化
※触媒の連続使用時間が長いほど、含酸素成分であるフェノール類が処理できずに残留していることがわかります。
無数のマトリクスの中から含酸素化合物を特異的に検出できるELEM-SPOT システムでは、含酸素化合物の除去処理能力の経時的な効果が一目で確認できます。
藻類由来のバイオ原油中の含窒素化合物の分析

バイオ原油の原料として注目されている藻類には窒素化合物が多く含まれています。窒素化合物も水素化分解の触媒性能に 影響を及ぼすことがあり、精製前に適切に処理する必要があります。こちらは藻類由来のバイオ原油のクロマトグラムと原油中 の窒素化合物をを特異的に検出したクロマトグラムです。ELEM-SPOT システムでは含酸素化合物のみならず、窒素原子を含む 化合物も特異的に検出することができます。