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アプリケーションのご紹介

 GC×GCシステムは,マトリクスが多く,通常のGCやGCMSでは分析が難しい天然物などの分析に力を発揮します。
 ここでは,以下のアプリケーション例をご紹介します。
 

 

本ページに掲載しているデータは,イタリア・メッシーナ大学のモンデロ教授のグループにより採取されました。

A bridge with our customers (Global Web) でモンデロ教授の声をご紹介しています。
→ ”New Dimension of Chromatography: Faster, More Sensitive”
    Luigi Mondello
    Professor
    Farmaco-chimico Department School of Pharmacy University of Messina

ミネラルオイル芳香族炭化水素類(MOAH)の分析

原油から様々な蒸留過程や精製段階を経て作られるミネラルオイル製品には,ミネラルオイル飽和炭化水素類(MOSH)やミネラルオイル芳香族炭化水素類(MOAH)が含まれています。近年,ミネラルオイルの食品への混入やその健康上の危険性が議論されており,混入源としては梱包材の印刷インクの直接混入や,リサイクル原料としての新聞紙のインクなどがいわれています。ここでは,GC×GCによるパスタのMOAH分析について報告します。

ミネラルオイルの分析では粉砕試料を抽出後,MOSH成分とMOAH成分に分離し,その量を定量します。例えば,Agシリカ‐ゲルSPEカートリッジを用いたオフラインSPE法で分離された分画にはターゲット成分以外のピークも現れ,定量の妨げになります。他方,このピークを解析することで汚染源同定の一助になることもあります。

下図は市販のパスタ(イタリア)のMOAH分画をGC×GCで分析した結果です。MOAH Cloud上に強いピークが存在していますが,マススペクトルのライブラリサーチよりピーク成分が確認できました。その多くはエステル化合物です。MOAH定量は,GC×GC-FIDを用い,Area integratedの領域に対応する部分を積分後,不要なピークの強度は差し引いて,1.6mg/Kg(C<25)という結果が得られました。一連のエステル化合物は梱包前に測定したパスタ試料では存在しなかったことから,梱包からの影響と考えられます。

パスタのMOAH分画のGCxGC-qMSクロマトグラム
(1stカラム:SLB-5ms(L=30m, i.d.=0.25mm, df=0.25µm), 2ndカラム:Supelcowax-10(L=1m, i.d.=0.1mm, df=0.10mu;m),モジュレーション時間:6sec)
No 化合物名 No 化合物名 No 化合物名
1 Isopropyldodecanoate 2 Dioctylether 3 2-Ethylhexyl octanoate
5 Isopropyltetradecanoate 9 Methylhexadecanoate 10 Ethylhexadecanoate
11 Isopropylhexadecanoate 12 Abietatriene 13 Octyldodecanoate
15 Methyloctadecanoate 16 Dodecyloctanoate 17 n-Butylhexadecanoate
18 Octyltetradecanoate 19 Tetradecyloctanoate 20 n-Butyloctadecanoate
22 Octylhexadecanoate 23 Di(ethylhexyl) phthalate 25 Squalene
26 1-Hexacosanol        

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マンダリンエッセンシャルオイルのGC×GC-MSMS分析

島津のトリプル四重極型質量分析計GCMS-TQ8030では,スキャンモードやMRMのデータ採取を高速で行うことができ,scan/MRM同時測定も可能です。ここでは,GCMS-TQ8030のscan/MRM同時測定モードを用いたマンダリンエッセンシャルオイルのノンターゲット定性分析と,食品添加剤が含まれているマンダリンオイルのMRMターゲット分析の例をご紹介します。1stカラムとしてはSLB-5msを,2ndカラムとしてはIL-60を使用しました。

下図はスキャン部分の2次元クロマトグラムです。また,スペクトルの類似度検索により一致した異なった極性の16種類のモノ/セスキテルペンを表に示します。

Q3スキャン部分のマンダリンエッセンシャルオイルの2次元クロマトグラムと同定結果
(モジュレーション時間:5sec)
No 化合物名 No 化合物名 No 化合物名
1 citronellal 2 terpinen-4-ol 3 α-terpineol
4 decanal 5 neral 6 geranial
7 perillaldehyde 8 thymol 9 linalool isobutyrate
10 α-copaene 11 dodecanal 12 methyl, N-methyl anthranilate
13 (E,E), α-farnesene 14 δ-cadinene 15 caryophyllene oxide
16 α-sinensal        

3種類の保存剤オルトフェニルフェノール (OPP),ブチルヒドロキシトルエン (BHT),ブチルヒドロキシアニソール (BHA)のMRMターゲット定量分析を行いました。検量線はOPPに対しては0.1 ppm-100 ppmの範囲で,一方,BHAとBHTに対しては0.5 ppm-200 ppmの範囲で測定しました。下図は,1 ppmレベルのMRMの2次元クロマトグラムです。マンダリンエッセンシャルオイルから57 ppmのOPPが検出され,BHTとBHAは検出されませんでした。(BHTとBHAのLODはそれぞれ3 ppb,11 ppb。)

1ppmレベルの内部標準IS(,4-ジブロモベンゼン),
BHT,OPP,BHAのMRM GC×GC-MSMS 2次元クロマトグラム。

GCxGC-MSMSを用いると,通常のGC/MS/MSのMRMでピークが重なるようなケースにおいても,クロマト的に分離できる可能性がでてきます。

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マテ茶の分析

マテはお茶のような飲料で,疲労回復のための強壮剤や興奮性飲料として南米の国々で広く消費されています。ブラジルのマーケットで入手したマテの試料(Ilex paraguariensisの葉と枝)の揮発成分をGCxGCで分析を行いました。

マテのGCxGC-qMSクロマトグラム
(1stカラム:SLB-5ms(L=30m, i.d.=0.25mm, df=0.25μm), 2ndカラムEquity 1701(L=1.5m, i.d.=0.1mm, df=0.1μm), モジュレーション時間:6sec)

第1カラムには微極性のカラム,第2カラムには高速分析に適したディメンジョンをもつ中極性のカラムを使用しました。得られた2次元クロマトグラムには,非常に多くの成分が検出されており,2次元図の下部(低極性領域)に炭化水素のグループ,また,顕著な化合物としてカフェインも検出されています。

GCxGC分析とシングルGC分析の比較
  検出ピーク数 同定されたピーク数
GCxGC-MS 1000以上 241
シングルGC-MS 200 70

マススペクトルを用いたライブラリサーチにより,検出された1000以上のピークのうち,241が同定できました。GCxGCは複雑な試料の分析の有効な手段になることがわかります。

マテのGCxGC-qMSクロマトグラムと同定結果の例
No 化合物名 No 化合物名 No 化合物名
20 4-hydroxy-2-butanone 30 5-methyl-3-methylene-5-hexen-2-one 40 alpha-pinene
21 methylpyrazine 31 2-heptanone 41 2-octanone
22 furfural 32 nonane 42 2-heptenal,
23 isovaleric acid 33 4-heptenal, 43 2,2-dimethyl-3-heptanone
24 (2E)-hexenal 34 2-butoxyethanol 44 5-ethyl-2(5H)-furanone
25 2-allylfuran 35 2,4-hexadienal 45 5-methyl furfural
26 (2Z)-hexenal 36 2(5H)-furanone 46 benzaldehyde
27 furfuryl alcohol 37 gamma-butyrolactone 47 hexanoic acid
28 hexanol 38 pyrazine, 2,5-dimethyl- 48 3-methyl-2(5H)-furanone
29 pentanoic acid 39 2,7-dimethyloxepine 49 1-octen-3-ol

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血漿中の脂肪酸

食物中の脂肪は,高血圧や心臓病,肥満,高コレステロール血症といった一連の病理と深く関係しており,関心が集まっています。近年,クロマトグラフ装置を用いて広く調べられていますが,今までの方法では i)マススペクトルが似ているため,脂肪酸異性体の二重結合の位置を同定できない ii) GCの分離能が低い  iii) 感度が低いため微量レベルのピークが検出されないなどの問題がありました。 ここでは分離能が高く,高感度なGC×GC法をヒト血漿の脂肪酸メチルエステルの決定に用いてみました。

血漿中の脂肪酸メチルエステルの2次元クロマトグラム
(1stカラム:SLB-5ms(L=30m, i.d.=0.25mm, df=0.25μm), 2ndカラム:Supercowax-10(L=0.95m, i.d.=0.1mm, df=0.1μm), モジュレーション時間:6sec)
Peak FAME Peak FAME Peak FAME Peak FAME
1 C8:0 18 a-C19:0 35 C18:2ω6 (st) 52 C22:4ω6
2 C9:0 19 C19:0 36 C20:2 53 C22:4ω3
3 C10:0 (st) 20 C20:0 (st) 37 C20:2ω6 (st) 54 C24:4ω6
4 C11:0 (st) 21 C21:0 (st) 38 C22:2ω6 (st) 55 C20:5ω3 (st)
5 C12:0 (st) 22 C22:0 (st) 39 C24:2ω6 56 C20:5ω1
6 i-C14:0 23 C23:0 (st) 40 C18:3ω6 (st) 57 C21:5
7 C14:0 (st) 24 C24:0 (st) 41 C18:3ω3 (st) 58 C22:5ω6
8 i-C15:0 (st) 25 C14:1ω5 (st) 42 C18:3 59 C22:5ω3 (st)
9 a-C15:0 (st) 26 C16:1ω7 (st) 43 C19:3 60 C24:5ω3
10 C15:0 (st) 27 C17:1ω7 (st) 44 C19:3ω6 61 C24:5
11 i-C16:0 (st) 28 C18:1ω9 (st) 45 C20:3ω6 (st) 62 C20:6ω1
12 C16:0 (st) 29 C19:1 46 C20:3ω3 (st) 63 C22:6ω3 (st)
13 i-C17:0 (st) 30 C20:1ω9 (st) 47 C22:3ω6 64 C23:6
14 a-C17:0 31 C22:1ω9 (st) 48 C18:4ω3 65 C24:6ω3
15 C17:0 (st) 32 C24:1ω9 (st) 49 C20:4ω6 (st)    
16 i-C18:0 33 C16:2ω6 50 C20:4ω3 (st)    
17 C18:0 (st) 34 C17:2 51 C21:4    

炭素数(C),二重結合数(DB),二重結合の位置(ω)に対応してFAMEのピークが,2次元クロマトグラム上に規則的に分布していることがわかります。 この空間分布配列は化合物同定予測に非常に有用で,この配列から,65個のピークのうち29個がこの配列位置を基本にして同定できました(表中の(st)は標準試料によるものです)。また,低レベルの奇数炭素数の脂肪酸も検出されています。

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コーヒーの分析

焙煎コーヒーの香りは,主に,ピラン,ピラジン,ピロール化合物に属する数1000種の揮発化合物の存在により特徴付けられます。種類により臭覚感受性,濃度,化学特性が異なり,互いの相互作用によりコーヒーの独特の香りを形成しています。構成成分が非常に複雑なため,通常のGC分析では難しいコーヒー豆の揮発成分の分析をGCxGC-MSで行いました。

アラビカコーヒーの揮発成分の2次元クロマトグラム
(1カラム:Supercowax-10(L=30m, i.d.=0.25mm, df=0.25μm), 2ndカラム:SPB-5ms(L=1.0m, i.d.=0.1mm, df=0.1μm), モジュレーション時間:6sec)

この分析では極性-無極性のカラム対を用いることで,2次元面内に数1,000のピークが検出され,非常に複雑なコーヒーの香りをよく描出できました。

2次元クロマトグラムに描出されたピラジンのグループ

14種類のピラジンが,側鎖の炭素数に対応しグループを形成し,水平方向のバンド群として並んでいるのがわかります。

本ページに掲載しているアプリケーションデータは,Mondello先生(Messina大学,Chromareleont S.r.l.)のグループにより取得したものです。

Application data by Universita degli Studio di Messina; Reference: Purcaro et.al. J.Sep.Sci. 2009, 32, 3355-3363