GC/MS一斉分析用データベースソフトウェア
環境分析向け
「環境分析向け GC/MS一斉分析用データベースソフトウェア」は,ガスクロマトグラフ質量分析計 GCMS-QP2020/QP2010シリーズ 用ワークステーション GCMSsolutionのオプションソフトウェアです。第2版では登録データ数を583から942へ増強しました。
(本ソフトウェア を用いたGCMS測定の流れは,測定フロー図をご参照ください。)
特長
- 標準試料を用いることなく,有害化学物質のおおよその定量値を確認できます。
- 環境用は942種(第2版)の化学物質の保持時間,マススペクトル,検量線情報をデータベースに登録。 n-アルカンによる保持時間の予測と組み合わせて,信頼性の高い成分同定を支援します。
- 解析・レポートはGCMSsolution上で行えます。
- データベースの化合物情報は,容易に追加・修正が行えます。
用途
- 規制物質はもとより,未規制の有害化学物質の有無,および存在量の確認に。
- 標準試料の入手が困難な物質のおおよその定量値の把握に。
- 化学物質が関係した種々の事件事故における原因物質の同定や定量の迅速分析に。
- 定量分析の定量テーブルの簡易作成に。
機能
ソフトウェアCompound Composer は,データベースから目的成分のターゲット質量やマススペクトル,検量線など,定量分析に必要な情報を抽出し,GCMSsolution用のメソッドを作成します。 このとき,データベース中のn-アルカンの保持時間情報と,使用する装置環境でのn-アルカン測定データを用いて,目的成分の保持時間を予測しますので,GCMSsolutionでの目的成分の同定やおおよその定量を容易に行えます。
また,装置が一定以上の性能で稼働していることを確認するための装置評価用物質の情報も登録されています。
環境用データベース登録化合物
炭化水素(PAHs,PCBsなど) | 194 |
含酸素化合物 | 150 |
含窒素化合物 | 113 |
含窒硫黄化合物 | 12 |
含リン化合物 | 8 |
PPCPs | 14 |
農薬(殺虫剤,除草剤,殺菌剤など) | 451 |
一斉分析用データベースソフトウェア を用いた測定フロー図
測定フローは「装置の調整・性能確認」と「未知試料の一斉分析・解析」の工程に分かれます。 「装置の調整・性能確認」では,標準物質を用いて採取したデータと,データベース中の装置評価用物質の情報を用いて,性能評価用のメソッドを作成して,装置が一定以上の性能で稼働していることを評価確認します。 このとき,GCMSsolutionのQA/QC機能も用います。 「未知試料の一斉分析・解析」では,標準物質を用いて採取したデータと,データベース中の目的成分の質量やマススペクトル,検量線など,定量分析に必要な情報を抽出し,GCMSsolution用の一斉分析用メソッドを作成します。 (データベース中のn-アルカンの保持時間情報と,使用する装置環境でのn-アルカン測定データを用いて,目的成分の保持時間を予測します) 未知試料の測定データを一斉分析用メソッドで解析処理を行います。
注意事項
- データベースの定量性能は,カラムを含むGCMS装置の調整を適切に行えば,スクリーニングという面では十分な定量精度をもっていますが,試料測定の都度に検量線を作成する通常の方法と比べると定量性能は劣ります。そのため必要な場合は,別途標準液を測定して検量線を作成し定量してください。
- 本データベースを用いて登録物質を確実に同定するためには,製品に含まれるメソッドテンプレートファイルの装置条件にて測定してください。
- 含窒素化合物,カーバメート系農薬やピレスロイド系農薬など,吸着性や分解性のある化合物はカラムは試験液の状態によって定量値が真値から大きく外れてしまうことがあります。
* 本システムは,北九州市環境科学研究所と共同で開発したシステムです。
Windows®は,米国マイクロソフト社の登録商標です。
News / Events
-
JASIS関西 2025
会期:2025年1月29日 (水) 〜 31日 (金),大阪
-
日本食品衛生学会 第120回学術講演会
日本食品衛生学会 第120回学術講演会で発表したポスターを掲載しました。
-
マルチオミクス解析Webinar Day2 長寿研究の最前線
質量分析計のデータ統合解析によるNGS全ゲノム解析の効率化配信日:2024年11月6日 (水) 14:00 ~ 15:00
-
日本食品科学工学会 第71大会
日本食品科学工学会 第71大会でポスター発表とランチョンセミナーを行います。
-
マルチオミクス解析Webinar 腸内環境研究の最前線
NGS細菌叢解析と質量分析計のデータ統合技術2024年8月8日(木) 14:00 ~ 15:15
-
GC-MSとLC-MSを用いた香気・代謝成分の解析
ISEKADOとのコラボビール開発へのアプローチ2024年8月1日(木) 14:00 ~ 15:00