ICPE-9800シリーズ - 特長

マルチタイプICP発光分光分析装置

あらゆる試料の分析に最適な測光システム

微量から高濃度まで汚染を気にせず一斉分析

縦方向配置のトーチは、トーチ壁面への試料の付着を抑え、メモリー効果を低減します。また,トーチを縦方向に配置しながら、軸/横両方向観測による一斉分析が可能です。

横方向観測(Radial view)

横方向観測(Radial view)

軸方向観測(Axial view)

軸方向観測(Axial view)

軸方向観測は、トーチと垂直に測光部(冷却ジャケット+オリフィス)を取り付けています。この時、プラズマ中心の高温部分の光のみ取り込むために、軸方向から少量のパージガスを流し、プラズマ上部の低温部分を除去しています。また、このパージガスにより、冷却ジャケット内部が汚れる心配はありません。

高濃度領域・有機溶媒試料の分析に冷却ジャケット取り外し -横方向観測専用ICPE-9820

高濃度領域・有機溶媒試料の分析

高濃度領域の分析や,一部の有機溶媒試料(キシレンなど)の導入で、横方向観測のみを使用する際は、冷却ジャケットを取り外し、横方向観測専用として使用することができます。冷却ジャケットの取り外しも簡単です。

酸素ガス不要で、有機溶媒測定を簡便化

医薬品のDMF溶解、石油類のキシレン希釈など、有機溶媒試料を分析する場合の酸素ガス(助燃ガス)は必要ありません。プラズマ条件やトーチレイアウトの最適化により、トーチ先端部に炭素が析出しにくく、安定した分析が可能です。酸素ガスボンベや配管が必要ないため、工事費などの余分なコストがかかりません。

全波長を常時記録する100万画素の最先端CCD検出器

全波長を常時記録する100万画素の最先端CCD検出器

写真を撮るように、2次元平面に結像した全ての波長は1インチの大型CCDに取り込まれます。取得したデータは全て保存され、いつでも確認することができます。

全波長を取得しているため、測定後に波長を変更することができ、再測定の手間を省きます。また、定性情報を読み出してマトリックス元素を確認・補正でき、干渉による測定誤差をなくせます。

ブルーミングは起こりません

ブルーミングは起こりません裏面入射型CCD検出器

オーバーフロードレンのある裏面入射型のCCDですので、広い受光面積を保ちながら、ブルーミング対策も万全です。

分析終了後すぐにシャットダウン可能

CCDの冷却温度は-15℃です。一般的なICP-AESで使用されている半導体検出器(-30℃~-40℃)に比べ高温で使用可能です。シャットダウン時に必要な結露防止のための待機時間は不要です。

高感度かつ高分解能

高感度かつ高分解能シュミットミラー採用

非点収差補正のために、シュミットミラーを採用しています。この機能により、検出器の周辺部での焦点ずれがなく、高感度・高分解能が得られます。

ガス消費量を半減する3つのシステム

ミニトーチ

分析時・待機時のプラズマガスの消費を半減

ミニトーチ
ミニトーチは、標準トーチに比べ、アルゴンガス消費量が約半分になります。断面積が約半分のプラズマに、従来と同じ高周波出力が加わっているため、エネルギー密度が大きく励起効率が良くなります。

Ecoモード
Ecoモード

Ecoモード
待機時の高周波出力を0.5 kWに、プラズマガスを約5 L/minまで減らすことで、省エネ、省コストを実現しています。分析モードへの立ち上がりもスムーズで、安定した分析が可能です。

立ち上げ時のガス消費を削減真空分光器

真空

真空紫外域(190 nm以下)の測定のため、真空ポンプ(ロータリーポンプ)で分光器内の空気を排気する真空方式を採用しています。パージガスが不要で迅速な立ち上げが可能です。ポンプが停止すると自動で電磁弁が閉じ、分光器内の真空を保持します。停止時の大気の逆流等による汚染の心配はありません。

真空分光器のメリット

長期間安定した分析を実現する導入系自然吸引・自然落下方式

長期間安定した分析を実現する導入系

試料の導入は高精度なネブライザーを用いた自然吸引方式を、ドレンは自然落下方式を採用しています。ペリスタルティックポンプは必要ありません。ポンプチューブの劣化による,導入効率の低下やばらつき、ドレンの排出不良による故障等の心配もなく、長期間安定した分析が可能です。(内標準元素の自動添加を使用する場合は、オプションのペリスタルティックポンプを使用下さい。)

分析をよりスマートにするソフトウェア

ICPEsolutionで分析をスムーズにスタート

アシスタントバーにあるアイコンを順番に押していくだけで、簡単に測定を開始できます。

ICPE solutionで分析をスムーズにスタート

全波長取得と3つのアシスタント機能で分析をよりスマートに

ICPE-9800シリーズは膨大なスペクトルデータと、充実したデータベースを組み合わせたアシスタント機能により、簡単にメソッドを最適化して、分析をスマートに行うことができます。

全波長取得と3つのアシスタント機能で分析をよりスマートに

全波長取得で元素・波長の追加も自由自在

全波長取得

全波長取得
測定後でも、元素・波長を追加して定量・定性データを確認することができます。全波長データを取得しているため、再分析の必要はありません。

定量分析の追加

測定後でも元素・波長を追加するだけで定量値を表示します。測定元素を設定し忘れた場合や、別の波長を検討したい場合に有効です。

定性分析の追加

測定後に全元素のプロファイルと半定量値を読み出し、全元素のデータを確認することができます。
マトリックスの確認など、定量元素以外の元素のおよその濃度を知りたい場合に有効です。

過去の分析を再解析

全ての波長データを保存しておき、いつでも読み出して再解析をすることができます。品質管理における不測の事態に備えて、またサンプル量の少ない貴重な分析の場合でも、データが残っているため安心です。

アシスタント機能で分析をより簡単・正確に

自動波長選択

自動波長選択
SB比やマトリックスによる干渉の有無等を比較し、測定試料に合った最適波長を自動で選択します。

自動波長選択
診断アシスタント

診断アシスタント
メソッドが最適かをソフトウェアで診断できます。問題が見つかった場合は最適な解決方法を提案します。誰でも簡単に正確な分析値を得ることができます。

診断アシスタント
元素間補正

元素間補正
マトリックスの多い試料で、どの分析波長も分光干渉を受けていて精確に定量できない場合には,元素間補正が有効です。ICPEsolutionは,検量線試料に干渉元素の校正試料を追加するだけで、

簡単に元素間補正をすることができます。

開発アシスタント

開発アシスタント
定性分析の結果から、測定対象元素の濃度や試料中のマトリックスに応じて、メソッド(波長,検量線濃度等)を自動で作成します。これにより、簡単にメソッドを開発することができます。

ランニングコストを半分以下に

ガス消費量を半減する3つのシステム

ガス消費量を抑える3つのシステム(Ecoモード,ミニトーチシステム,真空分光器)を搭載し、アルゴンガスの消費量を最大限に減らしました。さらに純度の低い低価格のアルゴンガス(99.95%以上)を使用でき、3年で数百万のコスト削減が可能です。

Ecoモードを搭載

Ecoモードを搭載
待機時のアルゴンガス消費量を約1/2、高周波出力を約1/2に抑える、Ecoモードを追加しました。待機時は自動的にプラズマガスの流量が下がり、Ecoモードに入ります。試料をセットし、測定開始のアイコンを押すだけで、自動で分析モードに戻り、測定が開始されます。

ミニトーチシステム

ミニトーチシステム
ミニトーチは標準トーチに比べ、アルゴンガス消費量を約半分に減らせます。

分光器パージガス不要 - 真空分光器

分光器パージガス不要 - 真空分光器
真空分光器を採用しているため、パージ型分光器のように高純度のアルゴンガスもしくは窒素ガスを流し続ける必要はありません。

分析例

1日約120検体(6時間)を間に準備時間(試料調製、休憩時間)を設けて測定した例

分析例
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