EDX-7200 - 特長

エネルギー分散型蛍光X線分析装置 EDX-7200

高速・高感度・高精度を追究したモデルEDX-7200

高分解能SDD検出器を搭載し、さらに高計数率を実現することにより、これまでにない検出効率を実現しました。

高速 - スループット最大30倍 -

従来型装置(EDX-720)比30倍の計数量を実現する高速回路を搭載。アルゴリズムの改良と基本性能アップにより測定時間を短縮し,さらに使いやすさも向上しました。

銅合金中の鉛(Pb)のプロファイル比較

銅合金中のクロム(Cr)のプロファイル比較

実試料による比較

鉛フリーはんだに含まれる鉛(Pb)について,従来型装置(EDX-720)とEDX-7200で繰り返し再現性を比較しました。

測定時間と標準偏差(定量値のばらつき)の関係

目的の分析精度に達するのに必要な測定時間

蛍光X線分析では,測定時間を長くして蛍光X線のカウント数を増やすことで精度(繰り返し再現性)を向上させることができます。高計数率のSDD検出器,高速回路を搭載したEDX-7200では,従来型装置(EDX-720)に比べより短い測定時間で目的の分析精度を得ることができます。

高感度 - 検出下限 最大6倍向上 -

金属の分析では,主成分中の微量元素の検出下限が向上しました。

金属中の鉛 検出下限目安(300秒)

※ 検出下限値は一例であり,保証値ではありません。

軽元素マトリクスにおける検出下限の比較

高分解能

Si(Li)半導体検出器を搭載した従来型装置(EDX-720)と比べ,エネルギー分解能がすぐれています。
異なる元素によるピーク重なりの影響が低減され分析結果の信頼性が向上します。

液体窒素不要

SDD検出器は電子冷却方式のため,液体窒素による冷却は不要です。わずらわしい液体窒素の補充作業から解放されると共に,ランニングコストの低減にも貢献します。

検出元素範囲

 

・ EDX-7200で12Mg以下の軽元素の分析を行うには,真空測定ユニットまたはヘリウム置換測定ユニット(いずれもオプション)の使用を推奨します。
・ 検出下限は試料マトリクスや共存元素により異なります。
20Ca以下の軽元素で試料容器を用いた分析では,フィルムの吸収により検出下限目安よりも悪くなります。

卓越した汎用性

微小試料から大型試料,粉末試料や液体試料まで,あらゆる試料に柔軟に対応します。
軽元素の高感度分析に有効な真空測定ユニットやヘリウム置換測定ユニット,自動連続測定を可能にする12試料ターレットもラインアップしています(オプション)。

4種コリメータおよび試料観察カメラ

左:1mmΦコリメータ選択時/右:5mmΦコリメータ選択時 微量用試料容器使用

Φ1,3,5,10mmの4段階を自動切換え
試料サイズに応じて照射径を4段階で切換えることが可能です。
微小異物分析や不良解析はΦ1mm,少量試料にはΦ3mmやΦ5mmと,試料形状に合わせて最適な照射径をお選びいただけます。 


試料観察カメラも標準搭載
試料観察カメラにより,X線照射位置の確認が行えます。
微小試料を測定する場合や,複数の部位からなる試料の特定箇所にX線を照射したい場合,あるいは微量用試料容器を使用する場合などに有効です。

5種類の一次フィルタを自動交換

一次フィルタを用いてX線管からの特性X線や連続X線を低減させることにより検出感度が向上します。微量元素の分析を行う際に有効です。
EDX-7200は5種(OPEN含め6種)の一次フィルタを標準で搭載しており,ソフトウェアから自動交換が可能です。

フィルタ 有効なエネルギー(keV) 対象元素例
#1  15~26  Mo, Rh, Pd, Ag, Cd, Sn, Sb
#2  2~4  S, Cl
#3  5~7  Cr, Mn, Fe, Co, Ni
#4  7~13  Zn, As, Br, Zr, Hg, Pb
#5  4~7  Ti, V
一次フィルタの効果

一次フィルターの効果

コリメータと一次フィルターの組み合わせは自由自在

コリメータと一次フィルターはそれぞれ独立して駆動するため,組み合わせに制約はありません。
6種×4種=24通りから最適な組み合わせをお選びいただけます。また,すべての組み合わせにおいてFP法による定量分析が可能です。

真空測定ユニット(オプション)

軽元素から発生する蛍光X線は大気雰囲気下では吸収を受けやすいため,真空雰囲気にすることで軽元素の高感度化が図れます。

真空雰囲気を100とした場合のヘリウム置換と大気雰囲気の相対感度

真空雰囲気を100とした場合のヘリウム置換と
大気雰囲気の相対感度

真空雰囲気と大気雰囲気のプロファイル比較 (試料:ソーダ石灰ガラス)

真空雰囲気と大気雰囲気のプロファイル比較
(試料:ソーダ石灰ガラス)

ヘリウム置換測定ユニット(オプション)

液体やガスを発生するなど,真空雰囲気にできない試料に含まれる軽元素の分析には,ヘリウム置換が有効です。高効率でヘリウムガス置換を行う独自システム(日本国特許 第5962855号)を進化させ,さらに短時間での測定と,ヘリウムガス消費量を削減させる機能を搭載しました。

 
ヘリウム置換測定ユニット イメージ

ヘリウム置換と大気雰囲気のプロファイル比較(EDX-7200/オイル中の硫黄)

12試料ターレット(オプション)

12試料ターレット(オプション)

ターレットを追加することにより,自動連続測定が可能です。特に,真空・ヘリウム雰囲気で測定する場合のスループット向上に効果的です。

充実の解析機能

検量線法

検量線法

標準試料の測定を行い蛍光X線強度との関係を検量線として,未知試料の定量を行う方法です。
未知試料の品種に近い標準試料の選択や元素ごとの検量線が必要となりますが,正確度の高い分析をおこなうことができます。吸収励起補正や重なり補正など,各種共存元素補正にも対応しています。

FP法

理論強度計算を利用して,測定強度から組成を求める方法です。標準試料の作成が困難な未知試料の定量分析に威力を発揮します。(日本国特許 第03921872号,米国特許 No.6314158,英国特許 No.1054254,独国特許 No.60042990. 3-08)
金属,酸化物,樹脂などの分析に対応するバルクFP法はもとより,めっき,薄膜の膜厚・組成分析に対応する薄膜FP法も標準搭載しています。

バランス自動設定機能搭載
主成分がC,H,Oなどの場合,FP法ではバランス(残分)設定が必要ですが,プロファイル形状からバランス設定が必要と判断された場合はソフトウェアが自動でバランス設定を行います。
 

バックグラウンドFP法

バックグラウンドFP法(特許取得済)

バックグラウンドFP法は,蛍光X線(ネットピーク)強度だけを計算する従来のFP法に,散乱X線(バックグラウンド)強度の計算を加えたものです(日本国特許 第5975181号 )。
少量の有機物試料の定量正確度向上や,非定形のめっき試料の膜厚測定,有機フィルムの膜厚測定に有効です。

マッチング機能

マッチングとは,ある試料の分析結果と既存データのライブラリを比較して,一致度の高いものから順に表示する機能です。
ライブラリには含有量データと強度データの2種類があり,それぞれユーザーにて登録が可能です。また,含有量データは,値を手入力することもできます。

マッチング機能

洗練されたデザイン

460mm幅のコンパクトサイズで,大型試料室を採用

460mm幅のコンパクトなボディサイズで,設置幅を従来型装置(EDX-720)より20%削減しました。
またボディサイズはコンパクトでも,最大300(W)×275(D)×約100(H)mmまでの大型試料(A4相当)をセットできます。

設計されたデザイン

 

視認性の高いLED表示灯

視認性の高いLED表示灯

X線発生時は装置後部のX線表示灯と前面のX-RAYS ONランプが点灯します。分析中はX線表示灯の両側が青く点灯し,離れた場所からでも装置状態がひと目でわかるようになっています。

「はじめまして。」で使えるソフト PCEDX Navi

PCEDX Navi

蛍光X線分析をより身近なものとするために生まれたのが簡単分析ソフトウェア PCEDX Naviです。
直感的な操作を可能にするシンプルかつ洗練された画面は,初心者からエキスパートまですべての方に快適な操作環境をもたらします。

詳細はこちら

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