環境汚染

社会課題

・環境汚染(水道,水質,大気,土壌,環境ホルモンなど)

1990年代初頭,ゴルフ場使用農薬分析の公定法にGC-MSが採用されるようになり,1990年代半ばから公定法として,農薬,揮発性有機塩素化合物,ダイオキシン類の定量などでGC-MSが利用されるようになりました。以降,環境や水道水の水質検査にGC-MSは幅広く用いられるようになり,水道水の分析において,農薬などの汚染物質,消毒副生物や異臭原因物質など微量成分を高感度・高選択性で分析するニーズが高まりました。その後,水溶性でも生物に対して毒性を示す農薬や医薬品の出現によって,GC/MS分析の限界が明らかになり,LC/MSによる分析法の開発が急がれました。

島津のソリューション:
パージ・トラップ,ヘッドスペースや多機能オートサンプラなど多彩な前処理装置とGC-MSで構成されたシステム製品を継続的に提供し,環境分析の効率化に寄与しました。また,LC/MSによる分析法についても水質や残留農薬分析用のメソッドパッケージの開発を進めてきました。

製品中の有害物質による環境負荷

社会課題

・製品中の有害物質による環境負荷

2000年に発効されたELV指令により,自動車の部品・材料に鉛(Pb),水銀(Hg),カドミウム(Cd)または6価クロム(Cr6+)の4物質を非含有にしなければEU加盟国に輸出することができなくなっています。その後,2006年に施行されたRoHS指令では,上記4物質に加えて2種類の臭素系難燃剤PBB(ポリ臭化ビフェニル),PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)の6物質は,対象となる電気電子機器への使用が禁止になっています。翌年,EUが化学の登録,評価,認可及び制限に関するREACH規制を施行されました。

島津のソリューション:
ELV,RoHS指令などの海外化学物質規制への対応が開始。環境汚染物質の多成分一斉分析,RoHS(II)指令の追加使用制限物質フタル酸エステル類を簡便にスクリーニングする「Py-Screener」や臭素系難燃剤を高感度で安定して測定できるGC-MSなどのソリューションを展開してきました。

マイクロプラスチック汚染など新たな環境問題

社会課題

・マイクロプラスチック汚染など新たな環境問題

近年,マイクロプラスチックなど新たな環境汚染物質による水,土壌や空気の汚染が世界的に注目を集めています。マイクロプラスチックは,その成分分析だけでなく,原料に含まれている添加剤,自然界から吸着した疎水性有機化合物などの生物影響など,多くの研究課題があります。

島津のソリューション:
マイクロプラスチックによる環境汚染問題について,フーリエ変換赤外分光光度計や赤外顕微鏡などプラスチックの材質や形状を分析計測する装置の提供に加え,粒子画像解析システムを用いて撮影しながら,どのような大きさのものがどのような割合で含まれているか,測定試料中の個数を計測する新技術,質量分析計を用いてマイクロプラスチックの表面に付着する有害性物質の分析手法の開発にも取り組んでいます。島津はこれからも地球環境問題への科学技術によるソリューションを提供し続けていきます。