抗血小板剤(腸溶剤)の水中での三次元形状観察(レーザー顕微鏡)
抗血小板剤(腸溶剤)の水中での三次元形状観察 / OLS
崩壊性と溶出性に関係する“ 液中で錠剤の変化” を観察することは錠剤の研究開発で重要と考えられます。しかし,液中での高分解能観察を行うことはこれまで容易ではありませんでした。レーザー顕微鏡(以下,LSM)は高分解能な観察と形状観察が行えます。さらに,水浸対物レンズ(以下,水浸レンズ)と組み合わせることで水中での錠剤の表面変化を捉えることが可能になります。
抗血小板剤-腸溶剤 の水中観察
今回観察した錠剤は,血液を固まりにくくして血流を良くする抗凝血薬 です。この錠剤の水中での表面変化を,OLS4100 と水浸レンズを用いて行ないました。Fig.1に,水中観察の様子を示します。
今回観察した抗血小板剤は,水中で比較的ゆっくりとした表面変化が認められました。Fig.2 に,この錠剤を水中に入れてからの時間と表面三次元形状(3D)の変化の様子を示します。表面形状がFig.2の(a)の3分から(d)の30分にかけて徐々に粗くなっていきます。
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水浸レンズを用いた医薬錠剤の水中観察
Observation of Drug Tablets using a Water Immersion Lens
3D測定レーザー顕微鏡
3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状(3D)計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。