有害金属の分析ソリューション(AA、ICP、ICP-MS)

食品中の有害金属(ヒ素、鉛、カドミウムなど)は低濃度まで管理することが必要です。当社の、原子吸光装置(AA)、ICP発光装置(ICP)を利用することにより、食品中の微量元素を高感度に分析することが可能となります。また、前処理不要で元素分析可能な蛍光X線装置(EDX)もラインアップしており、スクリーニング分析や緊急分析に対応可能です。

AA、ICPによる米中のカドミウムの分析例

国内では、食品衛生法に基づき、米中のカドミウム濃度が規制されています。ここではAAとICPによる米中のカドミウムの分析例(ICPでは他の元素も一斉分析)を示します。

AAによる米中のカドミウムの分析

AAによる米中のカドミウムの分析

ICPによる米中のカドミウム他栄養成分の分析

ICPによる米中のカドミウム他栄養成分の分析
(玄米粉末標準物質 NIES No.10-a,-b,-cの分析)

ICP質量分析計による元素の一斉分析例

ICPMS-2040/2050

ICP質量分析計
ICPMS-2040/2050

粉ミルクには乳幼児の成長に必要なミネラル分がバランス良く配合されています。健康増進法に基づき、特別用途食品(乳児用調整粉乳)として、カルシウムや鉄、銅などの必須ミネラル分の配合が定められており、さらに表示が義務付けられています。ここでは、ICP-MS を用いたミルク粉末(NMIJ 認証標準物質)中の元素の一斉分析例を紹介します。

ミルク粉末認証標準物質(NMIJ CRM 7512-a)の分析結果

  単位 分析値 (粉末中) NMIJ 認証値 拡張不確かさ 添加回収率 %
Ca g/kg 8.5 8.65 0.38 -
Fe 0.102 0.104 0.007 -
K 8.3 8.41 0.33 -
Mg 0.82 0.819 0.024 -
Na 1.81 1.87 0.09 -
P 5.4 5.62 0.23 -
Mn mg/kg 0.91 0.931 0.032 -
Mo 0.230 0.223 0.012 -
Sr 5.7 5.88 0.20 -
Zn 41 41.3 1.4 -
Cd <0.005 - - 100
Cr <0.06 - - 101
Pb <0.03 - - 100
As <0.03 - - 108
 

添加回収率(%)=(添加回収試験試料分析値ー分析値)/添加濃度×100

各種金属分析用装置の用途・特徴

製品名 用途・特長など サンプル
原子吸光分光光度計
AA-7000シリーズ
原子吸光分析法は、手軽に高感度が得られるため、各種の規格試験などに広く採用されています。AA-7000は、フレキシブルなシステム構成による拡張性を有し、振動センサー、ガス漏れ検知システムを標準装備するなど安全性にも配慮された装置です。 液体(溶液または溶液に溶かした試料)
 
ICP発光分光分析装置
ICPE-9800シリーズ
ICP発光分光分析法は、高感度かつ多元素同時分析による迅速性などから各種の規格試験法などに広く採用されています。ICPE-9800シリーズは、全元素同時分析、アシスタント機能による容易な操作、低ランニングコストなどを特長とする幅広い分野に使用できる装置です。 液体(溶液または溶液に溶かした試料)
ICP質量分析計
ICPMS-2040
ICP質量分析法は、ICP発光分析法の多元素同時分析の特長に加え、pptレベルの超高感度を有する分析法です。独自のミニトーチシステムにより環境性能と分析性能を両立させ、特別なオプション無しで測定時間を短縮し業務効率化に貢献します。 液体(溶液または溶液に溶かした試料)
エネルギー分散型蛍光X線分析装置
EDX-7000/8000/8100
蛍光X線分析法は、前処理なしに非破壊で、固体・粉体・液体試料に含まれる元素の分析が可能です。EDX-7000/8000/8100は、軽元素マトリクスに含まれるサブppmレベルの重元素を検出可能で、ランニングコストやメンテナンス性にも優れ、有害金属のスクリーニング用途に適した装置です。 固体、粉体、液体