河川水中マイクロプラスチックの材質解析(熱分解-GC-MS, FTIR)
環境表層水中のマイクロプラスチック(MPs)を精度よく分析するためには、木片や砂など環境由来の夾雑物を取り除く前処理が必要です。
本アプリケーションでは、マイクロプラスチック自動前処理装置MAP-100を用いて河川から採取した試料の処理を行い、MPsのみを抽出しました 。フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)では、抽出したMPsを直接分析しました。熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(Py-GC-MS)では、凍結粉砕によって均一化したMPsを分析しました。
FTIRとPy-GC-MSの分析結果(図1)から、抽出したMPsの主成分は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)であることが分かりました。
FTIRでは簡便に個々の定性結果が分かり、個数比率や密度を算出することができます。また、Py-GC-MSでは、より精密な質量による材質の割合(%)を算出することができます。ただし、両装置では、MPsの大きさは評価しないため、個数(%)と質量(%)では差が生じます。