i-Series Plus

液体クロマトグラフ

水質基準に準拠した陰イオン界面活性剤(LAS)の分析

・UV検出器以外の検出器(蛍光検出器,示唆屈折率検出器など)をi-Series Plusに接続できます。
・陰イオン界面活性剤(LAS)を,濃縮なしに水質基準下限濃度の1/5も高感度で検出可能です。
・各炭素数のLASで複数得られるピークを,炭素数ごとに面積値の合計で定量できます。

合成洗剤の主な成分で水道水の泡立ちにも関連すると言われている陰イオン界面活性剤は,水質基準に関する省令1)において,検査方法として蛍光検出器を用いたHPLC法が採用されています2)。検査方法においては,前処理として検水を250倍濃縮することが記載されていますが,前処理せず直接検出できれば,手間と前処理のコストを低減できます。“Prominence-i” と 高感度蛍光検出器“RF-20Axs”を用いた陰イオン界面活性剤5成分の分析例をご紹介します。

陰イオン界面活性剤標準品の分析

n=10:デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
n=11:ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
n=12:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
n=13:トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
n=14:テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム

陰イオン界面活性剤5成分の構造を右図に示します。各成分には,アルキル鎖部が異なる異性体(以下、分岐型と記載)が含まれています。
検水中の陰イオン界面活性剤の定量は,C10 ~ C14 の各種分岐型を含む混合標準液を分析することで得られる約 20 本のピークを,各炭素数ごとに分類し,それらの面積値の合計(面積和)を利用します。分離に用いるカラムの種類により,炭素数ごとの分岐型を認識し,多数のピークを検出するカラムと炭素数ごとの分岐型を認識せず,1 本のピークとして検出するカラムがあります。

Table 1 分析条件

水質基準項目で,陰イオン界面活性剤は5成分合計で0.2mg/L以下と基準値が設定されています。水質検査方法で提示されている前処理操作(検水250倍濃縮)を行った際の基準濃度に相当する陰イオン界面活性剤の標準液(各10 mg/L,5成分合計で50 mg/L)のクロマトグラムを示します。(分析条件はTable1)

Fig.1

Fig.1 陰イオン界面活性剤 5成分のクロマトグラム
(カラム1 使用, 各10 mg/L,合計 50 mg/L)

Fig.2

Fig.2 陰イオン界面活性剤 5成分のクロマトグラム
(カラム2 使用, 各10 mg/L,合計 50 mg/L)

水道水の分析

世界最高水準の高感度蛍光検出器“RF-20Axs” は,検水を濃縮せずとも直接 HPLC に注入が可能です。
Fig. 3,4は濃縮操作をせず,HPLCに直接注入した水道水の分析例です。下段には水道水のみ,上段には水道水に水質基準項目で設定されている,基準値濃度(各0.04 mg/L, 合計 0.2 mg/L)1)の陰イオン界面活性剤を添加したクロマトグラムを示します。Fig. 3の分岐型を認識するカラムにおいて、最も強度の低いピーク(C14 の3番目の異性体)でS/N=6の結果が得られました。

Fig.3

Fig.3 水道水のクロマトグラム(カラム1 使用)
上段:水道水に標準品各 0.04 mg/L添加
下段:水道水

Fig.4

Fig.4 水道水のクロマトグラム(カラム2 使用)
上段:水道水に標準品各 0.04 mg/L添加
下段:水道水

[参考文献]
 1)厚生労働省令第101号 (平成15年5月30日),[一部改正 厚生労働省令第11号(平成23年1月28日)]
 2)厚生労働省告示第261号 (平成15年7月22日),[一部改正 厚生労働省告示第290号(平成24年3月30日)]

Top of This Page