HPVシリーズの歴史

2005年
HPV-1 発売
● センサ:IS-CCD
● 撮影性能:撮影速度 100万コマ/秒、解像度 約8.1万画素、記録枚数 100コマ
独自の構造を持つ高速撮影専用のIS-CCD(画素周辺記録型撮像素子)を搭載。
最高撮影速度100万コマ/秒で連続100コマの超高速撮影が可能です。
解像度は約8万1千画素であり、全ての撮影速度で解像度の劣化が無く、高画質な撮影を高感度で行うことができます。
HPV-1の登場でこれまで見ることのできなかった超高速現象を可視化することが可能になり、様々な先端科学技術分野の進展に寄与する製品となりました。
- (2005年:第48回)十大新製品賞 HyperVision HPV-1
日刊工業新聞社主催の2005年十大新製品賞に島津の高速度ビデオカメラHPV-1が選ばれ、贈賞式が行われました。
未知の世界であった100万分の1秒の世界を動画として記録することに成功した世界初の超高速度ビデオカメラで、今後の産業の発展に寄与するところが高く評価されました。(2006.1.25) - 高速度ビデオカメラHPV-1が米R&D100に選出
アメリカの技術情報誌『R&D』誌主催の、世界で製品化された技術的に重要な製品100件を選出する技術コンペで、2006年受賞製品に島津製作所の高速度ビデオカメラHPV-1が選ばれました。100万分の1秒という超高速での連続画像を画質劣化なく撮影できる画期的な製品である事が評価されました。 - 高速度ビデオカメラHPV-1 産学官連携功労者表彰経産大臣賞受賞
内閣府主催の第4回産学官連携功労者表彰において「撮影速度100万コマ/秒の高速度ビデオカメラの開発」が経済産業大臣賞に選ばれ、近畿大学・江藤剛治教授、リンク・リサーチ(株)・武藤秀樹社長、当社・近藤泰志が表彰されました。この賞は大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において、大きな成果、先導的な取組みにより、産学官連携の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に対して表彰されるものです。(2006.6.11) - 第11回・平成14年度 HPV-1 映像情報メディア学会 藤尾フロンティア賞

2008年
HPV-2/HPV-2A 発売
● センサ:IS-CCD
● 撮影性能:撮影速度 100万コマ/秒、解像度 約8.1万画素、記録枚数 100コマ、カメラ同期 最大4台
HPV-1と同じ、独自の構造を持つ高速撮影専用のIS-CCD(画素周辺記録型撮像素子)を搭載。最高撮影速度100万コマ/秒で連続100コマの超高速撮影が可能。解像度は約8万1千画素であり、全ての撮影速度で解像度の劣化が無く、高画質な撮影を高感度で行うことができます。
HPV-1から約40%に軽量化。コンパクトで使いやすい構成と遠距離からの操作が可能。HPV-1ではカメラ1台の単独撮影しかできませんでしたが、HPV-2では最大4台のカメラでの同期撮影機能を搭載しており、1台のPCから4台のカメラを制御して同期撮影を行うことが可能です。2もしくは3方向からのカメラ間の正確な同期撮影を行うことで、デジタル画像相関法(DIC法)に代表される3次元的な観察をより高精度に解析することが可能となりました。特に海外ではDIC法による画像解析手法が進んでおり、島津の試験装置群と共に材料分野の発展に大きく貢献した製品となりました。
※ DIC: Digital Image Correlation(デジタル画像相関法)
強度試験のように試料の変形をともなう試験において、変形の様子を撮影し画像解析することで試料の変位分
布の時間的変化を解析する手法。特に、2台のビデオカメラで撮影したステレオ画像を用いて試料の3次元的な変位分布を解析する手法を3D-DICと呼ぶ。

2012年
HPV-X 発売
● センサ:FTCMOS
● 撮影性能:
(HPモード)撮影速度 1,000万コマ/秒、解像度 5万画素、記録枚数 256コマ、カメラ同期 最大4台
(FPモード)撮影速度 500万コマ/秒、解像度 10万画素、記録枚数 128コマ
CMOSイメージセンサをベースとした高速撮像素子FTCMOS(Frame Transfer CMOS)センサを搭載。
撮影速度による解像度の低下がないという従来機種からの特長を継承しつつ、最高撮影速度1,000万コマ/秒と、従来から10倍の超高速連続撮影を行うことが可能となりました。
撮影速度優先モード(HPモード:Half Pixel)と解像度優先モード(FPモード:Full Pixel)の二種類の撮影モードによって,様々な実験条件に適した撮影が行えます。
1,000万コマ/秒の超高速撮影によって、従来では観察することができなかった瞬間的な現象を可視化し、様々な現象の過程を観察することができます。物理現象の解明や新材料開発、宇宙技術開発、マイクロ加工開発など最先端の研究開発にさらに貢献しました。

2015年
HPV-X2 発売
● センサ:FTCMOS2
● 撮影性能:
カメラ同期 最大2台
(HPモード)撮影速度 1,000万コマ/秒、解像度 5万画素、記録枚数 256コマ
(FPモード)撮影速度 500万コマ/秒、解像度 10万画素、記録枚数 128コマ
CMOSイメージセンサをベースとした高速撮像素子FTCMOS2(Frame Transfer CMOS2)センサを搭載。
最高撮影速度1,000万コマ/秒の超高速連続撮影を行うことが可能。
撮影速度優先モード(HPモード:Half Pixel)と解像度優先モード(FPモード:Full Pixel)の二種類の撮影モードを選択できます。
FTCMOS2イメージセンサの搭載によって、光感度を従来機の約6倍に高めた製品です。
HPV-2に搭載していた、2台のカメラでの同期撮影機能を実現。カメラを制御するソフトウェア開発ライブラリの提供を開始し、DICソフトウェアと連携してデータ解析を行うことで、被写体の3次元的な変形も高精度に観測が可能です。薬剤を封入した微細カプセルとがん細胞が相互に作用する様子や、自動車のインジェクタの燃料噴射過程、インクジェットプリンタのインク吐出過程など、これまで光感度不足で困難であった様々な超高速現象の観察が可能となりました。
- 「高速度ビデオカメラの開発」が第47回「井上春成賞」を受賞
島津製作所は、東北大学未来科学技術共同研究センター 須川成利教授とともに、「高速度ビデオカメラの開発」において第47回井上春成賞を受賞しました。「井上春成賞」は、大学や研究機関等の独創的な研究成果をもとにして企業が開発し製品化した、我が国の優れた技術について研究者及び企業に対して贈られる賞です。2022年10月27日に国立研究開発法人科学技術振興機構 東京本部別館にて贈呈式が行われました。(2022.10.27)

2025年
HPV-X3 発売
● センサ:FTCMOS3
● 撮影性能:撮影速度 2,000万コマ/秒、解像度 30万画素、記録枚数 256コマ、カメラ同期 最大2台、外部同期 フレームタイミング
CMOSイメージセンサをベースとした高速撮像素子FTCMOS3(Frame Transfer CMOS3)センサを搭載。
本製品は、当社従来機種「HyperVision HPV-X2」と比べて撮影速度を2倍に高めて、1秒間に2000万コマ(フレーム)という世界最高水準を実現。
画素数は従来機種の3倍に向上し、最高撮影速度であっても解像度は低下しません。
外部からのフレームタイミング信号と同期して撮影する新機能によって、これまでの撮影時の露光タイミング調整の易化と観察できる利用分野を広げます。
今後も島津製作所の高速度カメラは、2005年から高速度ビデオカメラを製造・販売するパイオニアとして、微小領域で起こる人の目では見えない超高速現象を映像として記録し可視化することで、様々な基礎研究を支援してまいります。