分析中の消費量を削減する(キャリアガスセーブモード)

スプリット分析の場合,試料がカラムに導入された後は大きなスプリット比を維持する必要がありません。カラムへの試料導入後にスプリット比を変更してガス消費を抑えるキャリアガスセーブモードをご紹介します。

キャリアガスセーブモード

キャリアガスセーブ機能を使用すると分析開始から指定時間が経過した後、次の分析までスプリット流量を減らすことができます。

キャリアガスセーブモードが標準で搭載されている装置:GCMS-TQシリーズ,GCMS-QP2020/QP2010シリーズ全機種

 

試料導入後1minでスプリット流量を200 mLから20 mLに減らしています。
オートインジェクタと併用することにより,分析終了後,翌日分析を開始するまで,スプリット流量をセーブした状態を維持することができます。
1分析当たりのヘリウム消費量を比較すると,下記条件の場合,約83%の消費量削減効果が得られます。
分析時間:30分
スプリット比:100
キャリアガスセーブ機能:1分後にスプリット比10

[ご注意]  キャリアガスセーブ時の全流量が20 mL/min以上(可能であれば30 mL/min以上)になるように,キャリアガスセーブ時のスプリット比を設定してください。

分析待機中や分析終了後の消費量を削減する (エコロジーモード&シャットダウンメソッド)

分析終了後もヘリウムガスは消費されています。エコロジーモード,シャットダウンメソッドを使用すると,この量を低減することができます。

使用している機種が,
GCMS-TQシリーズ,GCMS-QP2020シリーズ,GCMS-QP2010 Ultra/SE の場合 → 1. エコロジーモード
GCMS-QP2010 Plus,PARVUM2(GCMS-QP2010S),GCMS-QP2010 の場合 → 2. シャットダウンメソッド

使用している装置の機種名がわからない場合  → 機種名の確認方法

1. エコロジーモード(GCMS-TQシリーズ,GCMS-QP2020シリーズ,GCMS-QP2010 Ultra/SE)

GCMS-TQシリーズ,GCMS-QP2020シリーズ,GCMS-QP2010 Ultra/SE では,分析待機時の不要なガスと電力を節減するエコロジーモードを標準で搭載しています。エコロジーモードにより,分析待機中や連続分析終了後のヘリウムガス消費量を抑えることができます。

設定方法のご紹介: 手動でエコロジーモードに入るには, バッチ終了後に自動的にエコロジーモードに入るには

2. シャットダウンメソッド(GCMS-QP2010 Plus,PARVUM2(GCMS-QP2010S),GCMS-QP2010)

GCMS-QP2010 Plus,PARVUM2(GCMS-QP2010S),GCMS-QP2010には,エコロジーモードが搭載されていませんが,シャットダウンメソッドを設定することによって,エコロジーモードとほぼ同様にヘリウムガスの消費量を削減することができます。

設定方法のご紹介: 分析終了後に装置温度やキャリアガス流量を変更したい(シャットダウンメソッド)
 

ECOシミュレーションで低減量を試算する

ヘリウムガスの節約量は,現在のお客様の使用環境(分析条件)によって異なりますが,ECOシミュレーションで「エコロジーモード」効果を試算できます。このECOシミュレーションでは,お客様のラボ稼動状況に応じたエコロジーモードの効果を具体的に確認していただけます。