医薬品製造分野向けシステム (TOC-LCPH/CSH,TOC-VWP/WS)

現在,医薬品製造・開発の現場では,GXPに基づいた開発,製造及び管理体制の導入が強く求められています。 そして,医薬品製造において,原料及び洗浄水として利用される水に対してもガイドラインに基づいた水質管理が求められています。
島津の高感度TOC計(TOC-LCPH/CSH,TOC-VWP/WS)は,USP(米国薬局方),JP(日本薬局方)をはじめとし世界の標準法(EPA,ASTM,JIS,ISOなど)に適合しており,製薬用水のTOC管理,ならびに洗浄バリデーションに優れた性能を発揮します。
また,PC制御モデルでは, TOC制御ソフトウェアTOC-Control L / Vと,ネットワーク対応分析データ管理ツールCLASS-Agentとの連携により, 「FDA 21 CFR Part 11」に準拠した優れたデータ管理体制で,FDA対応を強力にバックアップします。

各国薬局方に準拠した製薬用水の不純物管理に対応

米国薬局方,欧州薬局方では,製薬用水の有機性不純物管理をTOCで行っています。
また,日本薬局方でもTOCが一般試験法に採用されています。島津の高感度TOC計はこれら各国薬局方に対応しています。
日本薬局方の一般試験法には,

  1. TOC 0.05mg/Lが測定できるTOC計であること
  2. フタル酸水素カリウム標準液で校正できること
  3. TOC濃度が0.5mg/Lのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの回収率が90%以上であること

と規定されています。
なお現在,日本薬局方では,製薬用水のうち,次のものがTOCでの管理が必要です。

  • 常水
  • 注射用水のうち,超ろ過法により精製し注射剤の調整に用いるもの

また,参考情報の「製薬用水の品質管理」では,注射用水や精製水などの製薬用水について,TOCでの水質管理が推奨されており,製薬用水の原水として使われる常水についても,各製造施設において適切な基準値を設けてTOCによる水質管理を実施することが推奨されています。
常水には水道法で定められたTOC測定が必要ですが,水道法では,懸濁性物質が,万が一,水道へ混入した場合に備え,懸濁性有機物を含む水の測定が要求されています。
680℃燃焼触媒酸化方式を採用するTOC-LCPH/CSHは,常水に含まれる可能性のある懸濁物質を完全に酸化分解可能であり,また,検出限界4μg/Lと製薬用水測定に十分な感度を有しており,理想的な水質管理を行うことが可能です。

* 日本国内では,水道水質基準測定用途の約90%で島津の燃焼酸化方式TOC計が使用されています。(当社調査)

<参考>
日本薬局方の製薬用水に関する改正案について(平成21年4月公開 16局改正 向け)
純度試験の古典的な化学試験項目を大幅に整理し,EPやUSPに整合させる改正案が示されています。 すなわち,バルクの精製水や注射用水の有機性不純物についてはTOCにより管理することに変更し,容器入りの精製水や注射用水の有機性不純物については,現行の「過マンガン酸カリウム還元性物質」のままとされています。

島津の燃焼酸化方式,湿式酸化方式なら どちらも製薬用水管理が可能

島津は,製薬用水管理が可能な 燃焼酸化方式,湿式酸化方式のTOC計をご用意しています。用途に合わせて選択できます。

燃焼酸化方式 湿式酸化方式
  • 不溶性有機物の検出が可能(常水への対応)
  • 検出限界4μg/Lと高感度
    JPで要求される定量下限50μg/L(0.05mg/L)も余裕でクリア 
TOC-LCSH/CSN

燃焼触媒酸化方式
TOC-Lシリーズ

  • 検出限界0.5μg/Lと超高感度
    数μg/Lレベルの高度な製薬用水にも対応可能
TOC-Vw

湿式酸化方式
TOC-Vwシリーズ

機器バリデーション作業へのサポート

GMP・GLPでは,分析機器に対するバリデーション作業についても要求がなされています。 TOC-Lシリーズは,据付時に適格性の検証を行い,据付が正しく実施されたことを確認する"IQ文書",定期的にシステムをチェックする手順を示した"OQ文書"を提供しバリデーション作業を支援します。

Part11に準拠した電子署名・電子記録に対応

PC制御モデルTOC-LCPHでは, TOC制御ソフトウェアTOC-Control Lとネットワーク対応分析データ管理ツールCLASS-Agentにより,「FDA 21 CFR Part 11」に準拠した優れたデータ管理体制で,データの信頼性を確保します。
 

スワブサンプリング法による正確かつ迅速な洗浄バリデーションが可能

SSM-5000A

固体試料燃焼装置
SSM-5000

医薬品製造設備では,前製品や洗剤の残留物,外部からの混入物などが予め定めた許容限度値以下であることを科学的に立証するための "残留物評価試験" を行う必要があります。
残留物評価試験におけるポイントは,分析方法,許容限度値,そしてサンプリング方法です。
サンプリング方法において,スワブサンプリング法は,FDAや厚生労働省が高く評価し推奨している方法です。 スワブ材で設備表面の一定面積をふき取り付着残留物を物理的に採取し分析するため,不溶性の付着物も物理的にふき取って採取することができ,迅速な測定操作でありながら,より正確に評価が行えます。
TOC-Lシリーズでは固体試料燃焼装置SSM-5000Aを組み合わせることで,本来スワブ材から水に抽出して測定を行う必要がある所を,スワブ材ごと測定することが可能なため,測定作業を非常に迅速かつ正確に行うことが可能です。

TOC-Lシリーズでは固体試料燃焼装置SSM-5000Aを組み合わせることで,本来スワブ材から水に抽出して測定を行う必要がある所を,スワブ材ごと測定することが可能なため,測定作業を非常に迅速かつ正確に行うことが可能です。
また,ふき取りに使用するスワブ材の役割は非常に重要です。石英ガラス繊維を使用したスワブ材「Easy wiper」をぜひご利用ください。

スワブサンプリング法

GMPの洗浄バリデーションにおけるスワブサンプリング方法

【参考情報】 Easy wiperを用いたTOC測定による洗浄バリデーション(アプリケーションニュース)

石英ガラス繊維を使用したスワブ材 Easy wiper-S

特長

従来の石英ろ紙と比較すると,Easy wiperには以下の特長があります。

  • スワブ材が繊維状でほぐれにくく,拭き取り面にスワブ材の破片が残りにくい。
  • スワブサンプリング作業の後,試料ボードに入れやすい。
  • 少量の純水で拭き取りやすい。

Easy wiper-Sによるスワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法の測定

スワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法の回収率を評価するため,試料の付着したステンレス板をEasy wiper-Sで拭き取り,SSM-5000Aの試料ボートに入れてTC測定しました。水溶性,不溶性に関わらずすべての物質においてほぼ100%の高い回収率となりました。

物質名 TC値[μgC] 回収率[(TOC値-ブランク)/ 理論値]
ブランク 0
トラネキサム酸 207 104%
無水カフェイン 203 102%
イソプロピルアンチピリン 194 97%
ニフェジピン 202 101%
リンデロン軟膏 204 102%
ワセリン 199 99.5%

製薬用水(純水)測定に適した8ポートサンプラ

TOC成分は,環境中にあまねく存在します。製薬用水のような低濃度測定では,コンタミ影響への留意が必要です。

8ポートサンプラ OCT-L

OCT-L(スターラは別売)

  • 島津独自の手軽なオートサンプラ OCT-L
  • 1ユニット8試料,2ユニットで最大16試料まで測定可能
  • 大容量の採水容器のまま測定可能
  • 専用バイアル不要(容器管理の省力化)
  • バイアルへの移し替え不要(作業の省力化)
  • 大容量容器でコンタミにも強い(低濃度測定に適)
    <例>採水容器:500mL,バイアル:40mL

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