消毒剤アルコール含有量のスクリーニング分析

アルコール系消毒剤の効能は,使用されるアルコールの種類やアルコール濃度などに影響を受けます。米国疾病管理予防センター(CDC)は,手指衛生製品として,60 %-95 %のアルコールを含む消毒剤が最も効果的であると推奨しています。
薬局方ではアルコール濃度の測定法として蒸留法,またはガスクロマトグラフ(GC)法を示していますが,試料の前処理なども含めて測定に時間がかかることが課題です。フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いると,試料の前処理をすることなく非常に簡便にアルコール濃度を測定できます。
ここでは,FTIRを用いたアルコール系消毒剤に含まれるアルコール量の迅速分析をご紹介します。

前処理なくアルコール濃度を迅速に測定,自動で合否判定

省スペースで高い拡張性をもつIRSpirit-Xと1回反射ATR付属品 QATR-Sを用いることで,簡便に消毒剤中のアルコール濃度を測定することができます。前処理は必要なく,マイクロピペットで試料をQATR-Sのダイヤモンドプリズム上に20-30 μL滴下し,揮発防止カバーをかぶせて測定します。
また,FTIRの制御ソフトウェア LabSolutions IRに標準搭載されているフォトメトリック測定機能を使用することで,消毒剤中に含まれるアルコール濃度の合否判定が可能です。入力した合否判定の式から自動で計算し合否を出力するため,分析者の作業時間を削減し,人為的なミスを防ぐことができます。

エタノール標準試料の赤外スペクトル

エタノール標準試料の赤外スペクトル(70,82 vol%)

IRSpirit-x

IRSpirit-X シリーズと QATR-S

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フーリエ変換赤外分光光度計(IRSpirit-Xシリーズ)

コンパクトボディながら,上位モデルから引き継がれたテクノロジーにより,クラス最高の感度と高い信頼性を実現。
標準搭載した専用プログラムIR Pilotにより誰でも簡単に分析をスタートできます。

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