LC-QTOFMSを用いたノンターゲットリピドミクスによる発酵食品酵母株の特徴づけ

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はじめに

本稿では、四重極飛行時間型(QTOF)質量分析装置LCMS-9030を用いたノンターゲットリピドミクスを発酵食品酵母株の特徴づけに適用した事例を紹介します。脂質には主骨格構造の違いや、それらに結合するアシル基の鎖長、不飽和度の違いなどによって多様な分子種が存在し、細胞外ストレスに応答して、その構造や組成を変化させることでストレス環境に対応することが知られています。これらの脂質分子種を網羅的に計測できるノンターゲットリピドミクスを活用することで、異なるストレス耐性を持つ細胞を分類することができるようになると期待されます。本研究では、様々なストレス耐性能を持つ発酵食品酵母(ワイン酵母、パン酵母、清酒酵母)を題材とし、ノンターゲットリピドミクスを実施しました。LCMS-9030の精密質量安定性を生かして、28脂質クラスにわたる352脂質分子種を同定することに成功し、株間で特徴的な脂質分子種を絞り込むことができました。脂質が重要な働きを担う微生物や食品の分類、特徴づけに、ノンターゲットリピドミクスは有効な手法であると期待されます。

2026.09.08

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