Smart Aroma Databaseを用いたリンゴの香気成分分析

ユーザーベネフィット

- 香気成分データベースのSmart Aroma Databaseを用いることで、簡便な香気成分の定性分析が可能です。 - ヘッドスペースサンプラHS-20NXを用いることで、生のリンゴの香気成分を高感度かつ簡便に分析できます。 - 多変量解析により、サンプル間の香気成分の差を客観的に評価できます。

はじめに

果物の香気成分は、その風味や味わいを決定する重要な要素の一つであり、消費者にとって果物を選ぶ際の大きな判断材料となります。香気成分は、果物の種類や品種、成熟度、生産地、栽培環境などによって異なり、これらの要因が複雑に絡み合うことで、個々の果物が持つ独特な風味が形成されます。このため、香気成分の分析は、果物の品質管理や新しい品種の開発において重要な役割を果たします。 果物の香気成分を構成する化合物は、揮発性成分や不揮発性成分を含む多様なものであり、その数は数十から数百におよぶことがあります。これらの成分は、アルコール類、エステル類、ケトン類、酸類など、さまざまな化学構造を持ち、果物の香りに寄与しています。このような香りと香気成分の関係性を客観的に評価するためには、ガスクロマトグラフィー質量分析法（GC/MS法）が有効です。 本稿では、ガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-QP2050とヘッドスペースサンプラHS-20 NXを組み合わせて使用し、リンゴに含まれる香気成分を分析した例を紹介します。

2025.11.26