MSピークトラッキングによる分析法開発の効率化-トリプル四重極質量分析計の活用-

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ユーザーベネフィット

- 分析法開発は、一般的に PDA(フォトダイオードアレイ)検出器等のLC用検出器を用いて行われますが、質量分析計による質量情報を併用することで、不純物や共溶出化合物に対しても、正確なピークトラッキングが可能となります。 - デザインスペースにより分離度を視覚化することで、勘と経験に依存せず、分析法開発における最適分離条件の探索を効率化します。

はじめに

分析法開発における分離の最適化プロセスでは、移動相組成、グラジエント条件、カラムオーブン温度といった各種LCパラメーターを変動させることで最適条件を探索します。しかしながら、得られた複数のクロマトグラムは、分離条件が異なるため、溶出時間の変動や共溶出の発生により、正確なピークトラッキングが困難な場合があります。 PDA検出器によるUVスペクトルの違いを利用したピークトラッキングを適用することもできますが、不純物や共溶出ピークに対しては、UVスペクトルを用いたピークトラッキングでは正確な同定が困難となることがあります。一方で、PDA検出器に加えて、質量分析計を活用することで、低含有量の化合物や不純物に対するトラッキング精度の向上が期待できます。本稿では低分子医薬品6成分の一斉分析条件の最適化において、分析法開発支援ソフトウェアであるLabSolutions MDおよびトリプル四重極質量分析計LCMS-8060RXを用いることで、正確なピークトラッキングによる最適分離条件探索の効率化を実現した事例についてご紹介します。

2025.11.12