シングル四重極質量分析計を用いたオリゴヌクレオチド不純物分析

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ユーザーベネフィット

- シングル四重極質量分析計LCMS-2050とLabSolutions Insight Biologicsを用いることで、オリゴヌクレオチドおよび不純物の網羅的特性評価が可能です。 - UVクロマトグラムと同期したMSスペクトルを使用することで、分離不十分なクロマトグラムにおいても成分の純度計算を行うことが可能です。

はじめに

近年、核酸医薬品の開発が急速に進み、新たな創薬モダリティとして注目されています。核酸医薬品の合成過程において、目的のオリゴヌクレオチド以外に塩基長の異なる不純物等が生じます。医薬品としての安全性や有効性を担保するため、不純物の網羅的な検出と同定が求められます。 目的物と不純物を分離する方法として、逆相イオンペアクロマトグラフィーが広く用いられてます。合成の過程で有効成分と類似した構造や性質を持つ不純物が生成されることが多く、全ての不純物を分離する条件を設定することは困難です。このような背景より、液体クロマトグラフ質量分計を用いて不純物の検出と同定を行うことが一般的です。核酸医薬品の解析には、MS/MS解析による配列・構造推定が可能で質量分解能が高い四重極飛行時間型質量分析計が主に用いられます。しかし品質管理において、すでに不純物情報が明らかになっている場合は、質量情報が得られ、かつ取り扱いが簡便なシングル四重極質量分析計の活用が期待されます。 本稿では、高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS-2050とLabSolutions Insight Biologicsを用いて、合成オリゴヌクレオチドの不純物分析例をご紹介します。

2025.08.27