水素キャリアを使用したヘッドスペース-GC法による日本酒中の香気成分の分析

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ユーザーベネフィット

- 酒類に含まれる香気成分の濃度を、低コストかつ簡便に定量することができます。 - ヘッドスペースサンプラ HS-20 NXを使用することにより、香気成分を高感度かつ簡便に分析可能です。 - キャリアガスとしてH2ガスを使用することにより、高分離を実現しながら、分析コストを削減することができます。

はじめに

日本酒にとって、香りは重要な構成要素です。そのため、日本酒を製造する工程においては、その日本酒が持つ香りを損なわないことが求められます。日本酒の製造工程の一つに、生酒を加熱して殺菌し、酵素を失活させ発酵を止める“火入れ”があります。この火入れ工程は、長時間または高温で行うと、日本酒の香りを損なうことがあると知られています。本分析では、ガスクロマトグラフNexis GC-2030とヘッドスペースサンプラHS-20 NXを組み合わせて使用し、火入れ前後の日本酒に含まれる各香気成分の濃度を簡便に定量しました。 ヘッドスペース-GC法は、香気成分をはじめとした揮発性成分の分析に有効な手法です。ヘッドスペース-GC法では、誘導体化などの前処理が不要であり、試料をバイアルに量りとるだけでサンプル準備が完了するため、簡便に分析することが可能です。 また、分析用キャリアガスには、安価で入手が容易なH2ガスを使用しました。H2ガスをキャリアガスとして使用すると、分析コストを削減することができるだけでなく、広い線速度範囲で高分離を維持することができます。一方、 H2ガスは可燃性ガスであることから、取扱には注意が必要です。ガスクロマトグラフNexis GC-2030およびBrevis GC-2050は、カラムオーブン内のH2濃度を検知する水素センサ(オプション)を搭載可能です。水素センサがリークを検知した場合、スタンバイモードへの移行や、自動電源オフにより、万が一の事故を未然に防ぎます。

2025.05.21

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