高度再生処理によるリサイクルプラスチックの物性変化と それに影響を与える微細構造変化の多角的評価(その3) -自動車工程内端材充填剤無しリサイクルポリプロピレンへの適用例-

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ユーザーベネフィット

-汎用的な装置での多角的測定により、成形時のプラスチック内の微細な物理構造の変化を評価することが可能です。 -プラスチックの物性と物性に影響を及ぼす要因の把握が可能です。

はじめに

既発行のアプリケーションニュース「高度再生処理によるリサイクルプラスチックの物性変化とそれに影響を与える微細構造変化の多角的評価(その2)」では、疑似劣化ポリプロピレン(PP)を対象として高度再生処理により微細な物理構造を制御し、その結果、破断伸び、衝撃特性が向上することが分かりました。そして、弾性率、押込み硬さ、結晶化開始温度、Helix構造の割合、ミクロン領域の配向構造などを組み合わせた多角的な評価は、微視的な物理構造の変化を捉える有効な手段であることが分かりました(特許出願中)。本稿では、リサイクルプラスチックの社会実装の実用化を踏まえ、多角的な評価が実際のリサイクルプラスチックにおいても、微細な物理構造を捉える上で有効な手段であるかを検討した結果を報告します。なお、自動車産業界では、2023年7月に欧州委員会(EC)が発表した規則案に端を発してリサイクルプラスチックの実装検討がグローバルに活発化しています。この動向を踏まえて、今回、試料として自動車工程内端材充填剤無しリサイクルPPを用いました。

2025.03.04