Nexera™シリーズ
トリプル四重極質量分析計を用いたヒト血中の遊離脂肪酸プロファイリング
ユーザーベネフィット
-簡便な前処理で、血中の遊離脂肪酸19成分の一斉分析が可能です。 -ディレイカラムによりシステム中の夾雑成分を分離できます。 -CoreSpray技術を搭載し、安定性・信頼性の高いLCMS-8060RXを使用することで、微量な定量分析が可能です。
はじめに
遊離脂肪酸は、生体中の総脂肪酸の5%程度ですが、インスリン分泌などの機能調節に働く重要なシグナル伝達物質であることが知られています。また、様々な内分泌疾患のバイオマーカーとしても注目されています。 遊離脂肪酸の分析は、一般に、分析前にメチルエステル化などの前処理を施したガスクロマトグラフィー(GC)やガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)で行われますが、長鎖脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は誘導体化をしないとそのままでは検出できません。LC/MSを用いた多重反応モニタリング(MRM)では、誘導体化することなく脂肪酸を高感度に定量分析することが可能です。しかし、パルミチン酸やステアリン酸など環境中に多く含まれる脂肪酸は、HPLCの移動相や配管などの分析システムに夾雑成分として混入するため、これら脂肪酸の実試料中の正確な定量が難しいことが報告されています。 本稿では、安定性の高いイオン化技術を搭載したLCMS-8060RXを用いて、簡便な前処理でヒト血漿およびヒト血清に含まれる遊離脂肪酸を定量分析した例をご紹介します。ディレイカラムを用いてシステム中の夾雑成分を除外することで、血中の遊離脂肪酸の正確な定量が可能となりました。
2024.08.21