トリプル四重極型質量分析計によるEPA M537.1に規定されたPFAS分析

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ユーザーベネフィット

-トリプル四重極型質量分析計LCMS-8045は、EPA M537.1で規定されている全てのPFASを高感度かつ高い回収率で分析できます。 -EPA M537.1に記載の注入量(10 µL)より少量の5 µLを採用することで堅牢性が向上し、長期運用コストを削減できます。 -LCMS-8045は、より高感度モデルのLCMS-8050またはLCMS-8060に容易にアップグレードでき拡張性が高いモデルです。

はじめに

ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS) は、食品包装材料などの日用品や、ポリマー・プラスチック製造などの工業用途で広く使用されています。PFASは汎用性が高く、幅広い用途で使用されていますが、非常に安定で分解しづらい構造のため、環境中に蓄積しやすく、人体への影響が懸念されています。2009年11月に20種の PFAS (14のターゲット、3つのサロゲート、3つの内部標準)を分析するEPA Method 537が発表されました1)。その後、PFAS製造方法の変更により、米国ではPFOAとPFOSが段階的に廃止されました2)。そしてEPAは2018年11月にEPA Method 537.1を発表し、近年飲料水中での含有が確認されている代替PFASであるGenX (HFPO-DA)、ADONA、11Cl-PF3OUdS、および9Cl-PF3ONSを 新規に対象成分として追加しました。これにより、飲料水中の当初の14のターゲット化合物とともに、新たに追加された成分に対しても評価するようになりました3)。 本稿では、EPA Method 537.1で対象とされているすべての成分に対してLCMS-8045(図1)で分析した結果を示します。感度・回収率共にEPA Method 537.1 の要求を満たす結果を示すことができました。また、すでにEPAMethod 537 (参考:アプリケーションニュースC184A)を分析しているラボにおいても、機器の性能を維持しながらEPA Method 537.1 に容易に移行することが可能です。

2024.04.02

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