ICPMS-2050を用いた培地中の元素分析

ユーザーベネフィット

－ 培地中の微量元素から高濃度元素まで一斉分析できます。 － 培地の分解処理が不要で、希釈のみの簡便な前処理で分析できます。 － 培地中の元素を長時間安定して正確に分析できます。

はじめに

培地中には、微量のCo、Cu、Seや数千ppmオーダーのNaなど、幅広い濃度の元素が含まれています。培地中のこれらの元素は細胞に取り込まれて酵素活性や酸化還元反応に寄与するため、細胞培養における重要な要素です。一方、培地製造工程で原料や設備由来の予期せぬコンタミネーションにより、元素濃度のロット間差が発生するリスクが指摘されており、均質な細胞培養の実現には培地中の元素濃度プロファイルの把握が重要と考えられます¹⁾。 本目的には、高感度に多元素を一斉分析でき、広いダイナミックレンジを特長とするICP-MSが適しています。 本アプリケーションニュースでは、ICP-MSを用い希釈のみの前処理で培地中の微量元素から高濃度元素まで一斉分析を行いました。また、希釈のみの前処理で分析値への影響がないことを確認するために添加回収試験、長時間の安定性の評価を行いました。

2024.03.12