EHF-Eシリーズ
ラジアルフォージング加工によるEV用 モーターシャフトの評価
ユーザーベネフィット
- 軸力ねじり複合試験機を使用することで、試験体に軸方向とねじり方向の負荷を同時に加えることができます。 - 中空シャフトの静的ねじり試験を行うことができます。 - 中空シャフトのねじり疲労試験を行うことができます。
はじめに
近年、温室効果ガスの排出量削減に向けて、脱炭素化への流れが加速しています。その中でも自動車産業の電気自動車(EV)シフトが、脱炭素社会の実現に向けて大きな役割を担っていると言えます。EV化の普及に向けて、航続可能距離の向上が求められており、そのための車体の軽量化が開発テーマとして挙げられています。その中でも特にシャフトの軽量化は、単に航続距離の改善だけでなく、慣性力を抑えることによるモーターの応答性の向上が期待されるため、重要な開発テーマとなっています。ラジアルフォージング加工とは、中空シャフトの新しい鍛造技術のことで、ハンマー(金型)によって中空シャフトや中空軸の径方向から力をかける一方で、芯金を挿入し内径形状を転写させることで、内外径同時に成形することが可能です。ラジアルフォージング工法で製造した中空シャフトは強度と軽量化を両立することが可能であることから、次世代シャフトの製造方法として注目されています。中空シャフトはモーターシャフトやクランク等に活用されるため、ねじり負荷がかかる用途が多く、単純な引張・圧縮だけでなく、ねじり疲労試験も重要な評価となります。 前報ではラジアルフォージング加工における力学特性の変化を評価するために、実製品から試験片を切り出して、多角的な評価を実施しました。その結果、ラジアルフォージング加工域において優れた特性を示すことが明らかとなりました。今回は、ラジアルフォージング加工品、鍛造品、削り出し品の3種類の実製品(中空シャフト形状)のねじり疲労試験を行い、疲労特性を評価しました。
2023.10.17