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ユーザーベネフィット

- 遠心フィールドフローフラクショネーション(遠心FFF)でエマルションのサイズ分級ができます。サイズ分級することで、大きさの異なる試料が混在する場合でもより分解能の高い粒子径分布測定が可能となります。 - 適した溶媒(キャリア液)を選択することで、様々な試料の分級分析が可能です。

はじめに

エマルションとは、油と水など混じり合わない二種類の溶媒から成り、一方が他の液体中に微粒子の状態で分散しているものを指します。身近なエマルションの例としては、ヘアーコンディショナー、日焼け止め、マヨネーズなどが挙げられ、幅広い分野で用いられています。これらエマルションの粒子径により、化粧品の効能や食品の舌触り・食感などの製品の特性が変化します。したがって、エマルションの粒子径分布測定を行うことで、製品の品質等を定量的に評価できます。 粒子径分布測定には、光散乱法がよく用いられます。しかしながら、試料の成分がサイズの異なる粒子から構成されている場合、光散乱法による粒子径分布測定では粒子径分解能が不足することがあります。このようなケースでは分級計測法である遠心FFFで測定することで高分解能の測定が期待できます1)。 遠心FFFは試料粒子と溶媒(キャリア液)の密度差を利用して分級を行います。Application News xNo.01-00299では、試料粒子の密度がキャリア液の密度よりも大きい分析事例をご紹介しましたが、試料粒子とキャリア液に密度差があれば、試料粒子の密度がキャリア液の密度より小さくても分級を行うことができます。その事例として、本稿では市販されているシリコーンエマルションの分級分析を紹介します。

2023.10.03

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