X線CTシステムを用いた熱可塑性CFRPにおける繊維体積含有率の評価

ダウンロード

ユーザーベネフィット

- 熱可塑性CFRPにおける炭素繊維の分布を可視化できます。 - 広視野で熱可塑性CFRPにおける繊維の体積含有率を算出し、繊維の分布を定量的に評価することができます。

はじめに

熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は加工性・量産性・リサイクル性に優れており、汎用輸送機、特に量産車への適用が期待されています。中でもLFT-D(LongFiber Thermoplastics – Direct)という成形法は、比較的長い炭素繊維長を維持した状態で複雑形状の部材をプレス成形により製作できるため、生産性と力学特性を両立できる技術として研究が進められています。しかし、混錬条件や圧縮成型時の流動による含有繊維の粗密が大きいことが予想され、不均一性による強度低下が懸念されます。そのため、安全性を担保するのに重要な強度特性に寄与する強化パラメーターの解明が課題となっています。特に、局所的な繊維体積含有率(Vf:Fiber Volume Fraction)の定量評価と分散性の可視化が重要とされています。 ここで、力学特性は材料試験機を用いた破壊試験にて評価するため、繊維強化構造の定量化は非破壊で行うことが求められます。本研究では、非破壊検査機器の一つとしてX線CTシステムを用いて、炭素繊維の粗密を数値化することで繊維の体積含有率と分散性を評価しました。解析結果は燃焼法による実測と比較し、X線CTによる測定精度を考察しました。

2023.04.18

関連製品

一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。