GCMS-QP™2020 NX
水素キャリアガスを用いた加熱脱着GC-MSでのVOC測定
ユーザーベネフィット
- ヘリウムの代替ガスとして、安価で安定的に入手可能な水素キャリアガスで分析できます。 - 加熱脱着GC/MSは、溶媒抽出作業が不要なため、ハイスループットなVOC分析が行えます。
はじめに
GC/MS分析には、キャリアガスとしてヘリウムが一般的に用いられますが、近年ヘリウムガスの供給不足が問題になっています。このキャリアガスの入手が難しくなると分析自体がストップしてしまいます。ヘリウムに変わるキャリアガスとして水素を用いた分析が注目を集めています。水素ガスはヘリウムガスに比べて特定の成分の感度が劣る場合がありますが、安価で安定的に入手が可能なガスです。 この度、加熱脱着システムTD-30シリーズは、従来から対応していたヘリウムキャリアガスと窒素キャリアガスに加え、水素キャリアガスに対応しました。そこで、本稿では、水素キャリアガスを用いたTD-30R+GCMS-QP2020 NXでのVOC分析を実施しました。 VOCは、空気中に存在する有害な揮発性有機化合物で、大気汚染の度合いを表す尺度の一つとして、工場、市街地、室内環境など様々な環境下でモニタリングされています。そしてこのVOCの測定には溶媒抽出が不要で効率的な加熱脱着(TD)-GC/MSが使用されます。今回はTD-GC/MSで水素キャリアガスを用いてよく分析されるVOCを対象として分析し、直線性と再現性を確認しました。 ヘリウムの代わりに窒素をキャリアガスとして用いた、VOC測 定 に つ い て は 、 アプリケーションニュース01-00366-JPを参照ください。
2023.04.12