高効率な人工光合成実現に向けたイリジウム錯体を用いた光水素生成系の評価

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ユーザーベネフィット

- 人工光合成の効率評価に不可欠な光反応量子収率を、正確に測定できます。 - ガスクロマトグラフの熱伝導度検出器(TCD:Thermal Conductivity Detector)を用いることで、アルゴンキャリアガスを使用して水素の測定ができます。

はじめに

昨今、カーボンニュートラルの実現のために、燃焼時にCO2を排出しない水素エネルギーに注目が集まっており、中でも「グリーン水素」と呼ばれる、製造時にもCO2を排出しない水素に関する研究が進められています。このグリーン水素を製造する手法のひとつとして期待されているのが、太陽エネルギーと光触媒を用いた「人工光合成」です。しかし、この手法は、太陽エネルギーの変換効率の向上と製造コストの削減という問題を抱えていますが、これらの問題を解決する手段として、太陽光で最も強度の強い長波長光域を活用した人工光合成系を構築することが効果的であると考えられています。人工光合成系のエネルギー変換効率の指標として、光子の利用効率を示す「光反応量子収率」があります。光反応量子収率の算出に必要な吸収光子数は、光反応評価装置Lightway、水素生成量はガスクロマトグラフNexisGC-2030を用いて測定が可能です。今回、LightwayおよびNexisGC-2030を用いて、光増感剤としてクマリン配位子を有するイリジウム錯体を利用した可視光応答型の光水素生成系を評価しました。

2023.06.01