素材観察
ガラスのリングオンリング曲げ試験における破壊観察
近年、スマートフォンやタブレット等、ガラスを使った携帯製品が増えています。これらの品物は、曲げや落下等の外力に耐える強度が必要とされるため、ガラスも十分な強度が必要となります。ガラスの強度評価は主に、3点曲げ試験、4点曲げ試験、リングオンリング試験で、とくに、ASTM C1499で規定されているリングオンリング曲げ試験では、2軸の4点曲げ試験と考えることができ、ガラス端部の影響を受けずに試験することができます。
高速度ビデオカメラHPV-X2を用いて、強化ガラスのリングオンリング曲げ試験における破壊の様子を観察しました。
様々なナノファイバーの形状観察
セルロースナノファイバー(CNF)に代表されるナノファイバーは、直径数nm~100 nmの繊維状物質です。ナノファイバーの形状やサイズは、複合材料の機械的強度を左右する因子となるため、これを把握し、コントロールすることが、用途に適した複合材料の開発・製造につながります。ナノファイバーの形状やサイズは、原材料や製造方法によって異なり、製造過程ではマイクロメートルオーダーのサイズとなることも珍しくありません。3D測定レーザー顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡を併用することで製造過程品から完成品まで、 形状やサイズを確認できます。 本報では、LSMとSPMで原材料や製造方法の異なる様々なナノファイバーの形状やサイズを捉えた事例を紹介しま す。
摩擦攪拌点接合による異種金属接合部の多角的評価
温室効果ガスの排出量を削減するために、自動車等の輸送機器の軽量化がすすめられています。軽量化の手段として、異種材料を使用したマルチマテリアル化が注目されています。マルチマテリアル化の推進には、異種材料の接合技術開発と接合部の検査・評価手法の検討が必要です。本稿では、接合条件の異なるアルミニウム板と高張力GA鋼板の接合材料を2種類用意し、超音波光探傷装置による接合部の欠陥検査、X線CTシステムによる三次元構造観察、電子線マイクロアナライザEPMATMによる微細断面観察、精密万能試験機による引張せん断試験を実施して、接合部の検査・評価における各試験の有用性を調査しました。