四重極飛行時間型質量分析計を用いた 鶏ささみ中動物用医薬品の分析

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ユーザーベネフィット

- 精密質量を取得可能なLCMS-9030によるフルスキャン分析により、動物用医薬品の網羅的測定が可能です。 - 狭いm/zウィンドウの抽出イオンクロマトグラム(XIC)描画により、ノイズや夾雑ピークの少ないクロマトグラムが得られます。 - ルーチン分析に求められる定量下限をカバーする高感度分析が可能です。

はじめに

動物用医薬品は、家畜や養殖魚の病気の予防や治療、成長促進など様々な目的で使用されています。動物用医薬品により畜水産物の安定供給が可能な反面、残留した動物用医薬品による健康リスクが問題となっています。そのため、各地域、各国では食品中の動物用医薬品の最大残留基準値(MRL)を定め厳格に規制しています。 現在、食品中の動物用医薬品の分析には選択性が高く高感度な定量結果が得られるトリプル四重極質量分析計が広く用いられています。しかし、この手法ではターゲットとして想定しない化合物を検知することができず、一度に測定できる成分数に限りがあるため、スクリーニング用途で使うには網羅性に限界があります。このような背景から、食品中の動物用医薬品分析において高分解能質量分析計を用いたフルスキャン分析による網羅的な測定法に注目が集まっています。 本稿では、四重極飛行時間型質量分析計LCMS-9030を用いた網羅的測定の事例として、鶏ささみ中の動物用医薬品を分析した事例をご紹介します。

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