
KRATOS ULTRA2 (英国名AXIS Supra+)
- 粒子触媒の化学状態の僅かな変化を捉え、触媒の劣化について評価することが可能です。 - MEAの長寿命化および安定性向上のための研究開発に貢献します。
水素イオン伝導性がある固体高分子電解質膜に電極触媒を接合した電気化学デバイスはMEA(Membrane ElectrodeAssembly:膜/電極接合体)と呼ばれ、燃料電池、水電解水素製造技術、除湿セルなど多方面で活用されています。 固体高分子電解質膜は、テトラフルオロエチレン(CF2-CF2)を主鎖とし、末端にスルホン酸基(-SO3H)を持つ側鎖で構成されます。スルホン酸基は親水性があり加湿すると水分子が満たされます。ここに水素イオンが発生すると水分子と結合してオキソニウムイオン(H3O+)となり、隣の水分子を介して次々と飛び移ることで水素イオンが移動します。また、固体高分子電解質膜の両側にある電極触媒は主にPtが使われ、酸化還元反応を活性化させる働きがあります。 一方で、MEAのコストダウン、長寿命化および高安定性が重要課題になっています。例えば、温度特性などによる電解質膜の化学的安定性の低下や、触媒の凝集による性能劣化などが知られており、これらを抑制するために層構造、各元素の分布および劣化挙動の把握が求められています。本報告では、X線光電子分光法(XPS)により劣化したMEAの表面分析を行い、電極触媒の成分にどのような変化が見られたかをご紹介します。類似試料を分析したEPMAのデータは、当社のアプリケーションニュースNo. 01-00019-JP(MEA(膜/電極接合体)の分析)をご参照ください。
2021.11.01
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