TOC 測定による整形外科用インプラントの清浄度評価

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はじめに

整形外科用インプラントとは人の体内に埋め込む人工関節や骨接合品のことです。高齢化社会という背景とインプラントの製品改良や手術技術の向上もあり、インプラントを使用した手術件数は年々増加しています。整形外科用のインプラントは体内に直接埋め込むために、人体との生体適合性が重要で、製品には高い品質基準が求められます。そのため製造工程における最終段階の品質試験として、製品の清浄度を 評価する手法の検討がされてきました。 価のガイドラインが記載されています。清浄度を評価する各種パラメータがあり、有機汚れの評価方法として全有機体炭素(TOC)が紹介されています。TOC測定では有機物の成分を同定することは出来ませんが、総括的に有機物量を定量することができるため、医薬品の製造設備における洗浄バリデーションなどにも適用されてきました。 ISO19227:2018の記載内容を参照し、全有機体炭素測定計TOC-L を使用した有機汚れの定量を行うことで、整形外科用インプラントの清浄度を評価できます。今回、人工膝関節を構成する骨と接触する部位を使用し、そこに模擬的に付着させた有機汚れを水抽出したものを試料としてTOC測定しましたので紹介します。

2019.05.29