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フードメタボロミクスLC/MS/MS を用いたカレーの分析
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はじめに
近年、生体中の代謝物を網羅的に解析するメタボロミクスという技術に注目が集まっています。メタボロミクスとは、細胞の活動によって生じるアミノ酸や有機酸などの低分子の代謝物を網羅的に解析し、複数の試料群における差異を明らかにする学術分野であり、他のオミクスと比較して対象成分が少ないことから網羅的分析を行いやすいとされています。元々は臨床試料を用いた診断マーカー探索やモデル動物を用いた病因解析など、医療分野における成果を期待されて発展してきた技術ですが、同様の解析手法が工業分野や食品分野などでのメーカー間の製品比較や原材料の産地比較などにも応用されるようになり、ますます利用される機会が増えています。このようにメタボロミクスを生体以外に応用した中でも食品に応用したものについては「フードメタボロミクス」と言われています。 本稿ではフードメタボロミクスの一例として複数の家庭で作られたカレーの成分の違いや、カレーを一晩置いた場合にどのような変化がみられるのかについて、ソースに含まれる親水性成分を対象に、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)を用いてそれらを網羅的に分析し多変量解析により検証した事例を紹介いたします。
2019.05.28
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