卓上型両極性MALDI-8030を用いた合成オリゴヌクレオチドの負イオンモード分析

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はじめに

合成オリゴヌクレオチドは、DNA配列決定およびポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) による増幅で使用されるプライマーのように、分子生物学において様々な用途で用いられる短いDNAまたはRNA配列です。最近、合成オリゴヌクレオチドはバイオ医薬品の一つとして、いくつかの条件下で、治療、診断目的およびDNAに基づく診断テストキットのために探索されています。 嚢胞性線維症はDNAレベルで発症する病態の一例です。これは白色人種の間で最も一般的な常染色体劣性疾患であり、染色体領域7q31.2に位置し、 27個のエクソンを含む嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子 (CFTR) 遺伝子の変異に起因します1) 。CFTR遺伝子の突然変異は、塩素の輸送およびナトリウム取り込みの阻害を介して、気道および導管内の分泌物の水分補給の正常な維持を妨げます。これは主に気道上皮、汗腺、消化管 (膵臓と胆管系を含む) 、および泌尿生殖器系などCFTRタンパク質が主に発現される領域で起こります。 その臨床的関連に加え、嚢胞性線維症は教育研究室で遺伝子型決定ワークフローを示すのに有用と考えられます。なぜなら、複数の変異 (>1500)が同定されており、これらは異なる分子アッセイが必要かもしれないからです。これら典型的なアッセイとしては、Phe508del、Gly542XおよびAsn1303Lys 2 ) の突然変異に用いることができるamplification refractory mutation system (ARMS-PCR) 、または、 Arg1303Lys、Arg347Pro 1) 、およびArg334Try 3)の突然変異に使用できる restriction fragment length polymorphism (PCR-RFLP) 、さらにPhe508del, Ile507del,及び1677delTAに使用できるheteroduplex analysis (HA) 3)などがあります。しかし、これらのアッセイではPCR増幅の後、生成物はゲル電気泳動によって検出されるのが一般的であり、UVボックス中の臭化エチジウム染色を用いて読み取られます1, 3) 。この場合、ワークフローは、労力と時間を要し、かつ高価になると思われます。

2022.02.17

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