低分子医薬品
トリプル四重極型LC/MS/MSによる血液中の主要脂質プロファイリング法の開発
ダウンロード
ユーザーベネフィット
- 血中の主要脂質のプロファイリング分析が可能です。 - LCMS-8060は、ポジ/ネガ同時分析でも高品質データが得られます(極性切り替え時間;5 msec)。 - 少量のヒト血液を用いた主要脂質の脂肪酸組成解析が可能です。
はじめに
リン脂質(PL)、トリアシルグリセロール(TG)、コレステロールエステル(CE)は、血液中の主要脂質です。これらの主要脂質の微細構造は、各種疾患との関連や病態生理学の研究において注目されています。 筆者らは既にLCMS-8060を用いた多重反応モニタリング(MRM)に基づくリン脂質プロファイリング法を開発し、報告しました(アプリケーションニュース No. C137)。本稿では、リン脂質だけではなくCE、TG、遊離脂肪酸、コレステロールを含む血液中の主要脂質にターゲットを拡げたプロファイリング法を開発しましたので紹介します。 本法では約360MRMトランジションを用意しました。ヒト血液中で約100種の脂質;51成分のPL、26成分のTG、11成分のCE、CE過酸化物、遊離脂肪酸、遊離コレステロールが同定できました。本法は、血漿や血清にも適用可能であり、各クラスの脂質の脂肪酸組成も明らかになりました。
2020.12.21