エイコサノイド類196成分に対応した代謝マップによる解析ツールの開発

ユーザーベネフィット

－ 「LC/MS/MSメソッドパッケージ 脂質メディエーター Ver. 3」が対象とする196成分の代謝マップによる解析ツールをご利用いただけます。 － 脂肪酸代謝物の量的な違いを代謝マップ上に表示することで、関与する代謝酵素を容易に解析できます。

はじめに

エイコサノイドは、主にアラキドン酸カスケードに属する生理活性脂質（脂質メディエーター）を指します。近年のLC/MSの高感度化と高速化により、アラキドン酸代謝物やω３脂肪酸代謝物など100成分以上の脂肪酸代謝物を網羅的に分析する手法が開発され、生理機能の解明やバイオマーカー探索に用いられています。 我々はこれまでに196成分のエイコサノイド類一斉分析法「LC/MS/MSメソッドパッケージ 脂質メディエーターVer.3」を開発しました。本稿では、この196成分の代謝マップ表示による解析ツールを新規開発し、ヒト血しょうと血清から検出された代謝物の比較解析を行った例を紹介します。196成分の一斉分析法により、血しょうと血清から延べ68成分の代謝物が検出されました。この解析ツールを用いることで、検出された代謝物に関与する酵素を容易に確認することができました。

2021.10.27