Nexera-e
Nexera-e と ELSD/LCMS-IT-TOF 検出を組み合わせた植物油中トリグリセリドの包括的 2 次元分離
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はじめに
トリグリセリドはグリセロール骨格に 3 つの脂肪酸がエステル結合した分子で,動物油,植物油いずれの場合でも重要な機能性成分と考えられています。トリグリセリドは水系溶媒への溶解性が低く,その分離には銀イオン担体を用いた順相分析もしくは有機溶媒を用いた逆相分析が多く行われてきました。しかしながら,脂肪酸の組み合わせによって非常に多くの分子種が存在し,天然油脂中トリグリセリドの相互分離を単一の分離条件で行うことは困難です。このような複雑な成分の相互分離を達成するためには,包括的 2 次元液体クロマトグラフ Nexera-e の利用が有効です。 一般に,包括的 2 次元液体クロマトグラフィーでは,1 次元目と 2 次元目に異なる分離モードを選択して,その分離選択性の差異によってそれぞれの次元の単独分析では分離困難であった成分の分離を改善します。ここでは,多数のトリグリセリドが含まれるボラージ油を試料として,1 次元目に銀カラム(順相条件)によるミクロスケールの分離,2 次元目には水系溶媒を用いない有機溶媒の 2 液グラジエントによる逆相分離を採用しました。検出器としては,蒸発光散乱検出器(ELSD)およびイオントラップ飛行時間型質量分析計(LCMS-IT-TOF)を組み合わせて使用しました。分析条件をTable 1 に示します。
2016.02.07
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