Nexera-e
Nexera-e と LCMS-IT-TOF 検出を組み合わせたムール貝の脂質分子種の包括的二次元分離
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はじめに
メタボロミクスの中でも脂質を標的とした網羅的な解析をリピドミクスと呼びます。脂質は生物のエネルギー源であり,生体膜の主要な構成成分である他,生体内のシグナル伝達に関わるなど重要な役割を担っています。しかし,構成する脂肪酸の種類や不飽和度の組合せが多様であり,一斉分析による網羅的解析は困難と言われていました。 生体試料から抽出した全脂質は,順相や HILIC(親水性相互作用クロマトグラフィー)などにより,いったん脂質のクラスに応じた分画を行い,それぞれの画分に対して LC/MS 分析を行うことが一般的ですが,時間がかかることが難点でした。一方,包括的二次元液体クロマトグラフィーでは,一次元目と二次元目に異なる分離モードを組み合わせて,その分離選択性の差異によってそれぞれの次元の単独分析では分離困難であった成分の分離を改善します。 本分析では,多数の脂質分子の包括的分離に効果的なNexera-e を用いたムール貝中脂質の分離例をご紹介します。一次元目に HILIC カラムによるセミミクロスケールの分離,二次元目には超高速の逆相分離を採用しました。検出器に,イオントラップ飛行時間質量分析計(LCMS-IT-TOF)を組み合わせて使用しました。分析条件を Table 1 に示します。
2016.03.28
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