高速高分離分析の応用(その1)新規高性能カラム“Shim-pack XR-ODS”登場

新規高性能カラム“Shim-pack XR-ODS”登場

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はじめに

近年,分析業務の効率化をはかるため,HPLC分析の大幅な時間短縮が注目されています。HPLCにおいて分析時間を短縮するには,カラム長さを短くする,移動相流量(線速度)を高めるというアプローチが考えられますが,汎用カラム(粒子径5μm程度)を用いてこれらのアプローチを試みると,カラム効率の低下により分離が損なわれてしまい,期待する結果が得られない場合が多くあります。 このため,分離の高速化をめざし,最近では充てん剤をより微細化(サブ2μm)したカラムが用いられています。このメリットとしては,①カラム単位長さあたりの分離効率を高めることができる,②高線速度領域においてカラム効率を維持できることが挙げられますが,反面,カラムの圧力損失は充てん剤粒子径の二乗に反比例して増大するため,カラムや装置への圧力負荷が大きくなり,使用可能な装置が限られる,あるいはカラム長さが制限されるなどの不都合が生じます。 新しく開発された“Shim-pack XR-ODS”は,粒子径として“2.2 μm”を採用し,高速と高分離の両立に加えて,扱いやすさを重視した高性能カラムで,以下のような特長があります。  ①最小理論段高さが汎用カラムの1/2以下と小さいため,カラム長さを短くしても高分離を維持することができる。  ②最適移動相流量が汎用カラムの2倍以上と高い。  ③ほとんどの分析条件において最適移動相流量における圧力損失が30MPa以下である。 このように,“Shim-pack XR-ODS”は,圧力損失が小さいため,サブ2 μmカラムのように高耐圧専用装置が不要で,通常の装置で高速高分離分析が実現できます。 ここでは,“Shim-pack XR-ODS”を用いた高速高分離分析例についてご紹介します。

2008.06.21