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はじめに

化学物質の皮膚へのアレルギー性を評価する皮膚感作性試験は、動物保護の観点から動物実験以外の代替法の整備が進められています。化学物質は、表皮タンパク質中のシステイン、またはリジンと結合すると炎症反応を誘導します。それらの性質を利用し、in chemicoの代替法として、皮膚感作性試験Direct Peptide Reactivity Assay(DPRA)および Amino acid Derivative Reactivity Assay(ADRA) が、化学物質の評価法に関する国際的な指針であるOECD(経済協力開発機構)テストガイドラインに収載されています。 ADRAはシステイン、リジンにナフタレン環を誘導した、それぞれN-(2-(1-naphthyl)acetyl)-L-cysteine(以降NAC)、α-N-(2-(1-naphthyl)acetyl)-L-lysine(以降NAL)を用いて被験物質の結合性を評価します。ADRAはDPRAと比較して、試料溶液もDPRAの1/100の濃度で分析します。また、ナフタレン環があることで、夾雑成分による検出への影響の少ないUV 281 nmで検出することができます。 ADRA試験法は、OECD TG442C APPENDIXⅡ, ANNEX IIに記載されています。そこにはシステム適合性試験や習熟度評価試験も記載されています。習熟度評価には、試験環境や試験者の技術的習熟度を評価する目的で、試験物質10種類についてNAC、NALの結合性(NAC、NAL減少率)が規定されています。今回、記載のシステム適合性試験および習熟度試験をNexera XRを用いて行いました。記載された全ての物質について規定範囲内の結果が得られました。 さらに高速条件も検討しました。OECD記載条件と変わらない結果が得られました。

2021.09.27

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