低分子医薬品
電気加熱原子化法(ファーネス法)におけるグラファイトチューブの使い分けについて
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はじめに
電気加熱原子化法(ファーネス分析法)では,グラファイトチューブを元素や,サンプルに応じて使い分けることが効果的です。現在グラファイトチューブとして広く使用されているものには,高密度グラファイトチューブ(以下高密度チューブ),パイロ化グラファイトチューブ(以下パイロ化チューブ),プラットフォーム型グラファイトチューブ(以下プラットフォームチューブ)の三種類あります。高密度チューブは、通常のグラファイトでできており,最も広く使用されています。グラファイトの性質から,多孔質であるため,注入したサンプル溶液が,ある程度グラフィトの壁面に浸透していきます。一方、パイロ化チューブは、その表面に金属光沢があるのが特徴ですが、これは,高密度チューブの表面にCVD法により,パイロ層を生成させたもので,高密度チューブに比べて表面が密になっているため、サンプル溶液の染み込みは少なくなります。プラットフォームチューブは,グラファイトチューブ内にグラファイト製のサンプル溶液を入れるための窪みのある板(プラットフォーム)が装着されています。島津のプラットフォームチューブのプラットフォームは100%パイロカーボンでできています。 今回,これらグラファイトチューブの使い分けの目安を提示します。
1999.02.14