GCMS-TQ™8050 NX
Smart EI/CIイオン源を用いた脂肪酸メチルエステル(FAMEs)の定量分析
ユーザーベネフィット
- PCI-MRMは不飽和脂肪酸に対してEI-MRMよりも感度が向上し、脂肪酸分析に最適です。 - Smart EI/CIイオン源は装置を止めずにEIとPCIのイオン化法を切り替えられます。 - Smart Metabolites Databaseと脂肪酸メチル化キットを利用することにより、食品中脂肪酸分析が簡単に行えます。
はじめに
脂肪酸は脂質を構成する成分であり、生物にとってエネルギー代謝や栄養素として欠かせない成分です。脂肪酸分析は長い歴史があり、医学用途では、病気の予測や健康状態の把握の目的で、食品用途では、開発商品の高品質化・高機能化を目的として測定されています。 脂肪酸は、カルボキシル基を有することから、そのままGC-MS(/MS)で測定することは難しく、メチル誘導体化を行い脂肪酸メチルエステル(FAMEs)にして測定を行います。 FAMEsは、炭素鎖の長さの違いや二重結合の数および位置の違いなど多数の種類があります。EIはGC-MSで一般的 に利用されるイオン化法ですが、FAMEsにおいてはイオン化の際にフラグメンテーションしやすく、低質量の類似したイオンが多数検出されることから、感度と分離が要求されます。一方、PCI(正化学イオン化法)は試薬ガスを用いた間接的なイオン化法であることから、プロトン付加分子を検出しやすいため、分子量の異なる質量分離には有効ですが、異性体の分離はクロマトグラム上で行う必要があります。GC-MS/MSのCI-MRMは、イオン化したプロトン付加分子をCIDすることでフラグメンテーションするため、夾雑物やFAMEs同士の質量分離が向上します。 本アプリケーションでは、EI-MRMとCI-MRMの感度及び定量精度について比較した結果を紹介します。
2022.02.15
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