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ユーザーベネフィット

- ‹LC-MSを用いて、一次代謝物や糖など、食品の味に関連する化合物の一斉分析を行うことができます。 - GC-MSを用いて、食品の香りに関連する化合物の一斉分析を行うことができます。 - テクスチャーアナライザ(小型卓上試験機)を用いて、食品の食感の解析を行うことができます。 - 多変量解析により、これらの情報を統合して食品の総合的な品質評価を行うことができます。

はじめに

持続可能で健康的なライフスタイルへの興味の高まりを背景に、世界中で代替肉が注目されています。代替肉の需要は増加傾向にあり、これまで以上にその風味における品質を厳密に問われる時代になりつつあります。しかし、食物における味や香りはさまざまな化合物の複雑な組み合わせの結果生じるものであり、その品質を厳密に測定することは多くの場合困難を伴います。このような複雑な系を持つ風味という概念を紐解くツールの一つに、代謝物や香気成分の網羅分析があります。LC-MSやGC-MSを用いれば、このような味や香りに影響を与える親水性の代謝物や香気成分の測定が可能です。 また、食品の品質やおいしさを判断する材料となるのは味と香りだけではありません。噛んだ時の食感もまた、食肉を模した食品においては特に、品質の判別における重要な要素です。適切な治具を装着したテクスチャーアナライザ(小型卓上試験機)を用いれば、硬さをはじめとした食感を測定することができます。 味、香り、食感はそれぞれ独立した要素であるため、それぞれ別々に解析することが可能ですが、このようなデータを横断的に解析して「総合的な品質」を追求したい場合もあります。多変量解析を用いれば、各サンプルのデータを元に、サンプル同士の「距離」を可視化することができます。このように、各測定機器のデータを横断的に解析することで、「品質」というあいまいな指標を、より客観的に議論することが可能になります。 ここでは、米国市場で流通している4種類の代替肉製品に関して、味、香り、食感のデータを取得し、簡単な多変量解析を用いて本物の牛ひき肉との「距離」を可視化しました。

2021.07.12

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