GCMS-QP™2020 NX
IP585に準拠したジェット燃料中脂肪酸メチルエステル(FAMEs)の分析
ユーザーベネフィット
- IP585メソッドに準拠し、ジェット燃料中の6種の 脂肪酸メチルエステル(FAMEs)を高精度に分析できます。 - スキャンSIM同時分析を行うことで、FAMEの誤同定を防ぐことができます。 - ジェット燃料中のFAMEsの回収率も良く、高マトリックス試料でも問題なくピーク検出できます。
はじめに
ジェット燃料である、航空タービン燃料油(AviationTurbine fuels:AVTUR)はガスタービンエンジンに電力を供給するために使用される石油製品です。この燃料は様々な炭化水素の混合物であり、炭化水素の比率は石油源によって異なります。 近年石油資源への過剰依存の対策として、バイオディーゼルをAVTURに加えることが検討されてきています。バイオディーゼルは通常、植物油から生成される燃料であり、原料由来の短鎖から長鎖の脂肪酸メチルエステル(FAMEs)で構成されています。これらのFAMEsの存在はジェット燃料の燃料特性に影響を与えます。ジェット燃料中のバイオディーゼルは、貯蔵条件下で、または航空機の燃料システム使用中に熱分解を引き起こし、堆積物を残す可能性があり、性能と安全性を損ないます。また、航空機は非常に低温になる高度を飛行するため、バイオディーゼルは凍結してしまいます。これらの懸念から、Energy InstituteはIPメソッドを作成し、ジェット燃料中のFAMEs濃度の最大許容レベルを50 mg/kgに制限しています。 本稿では、IP585メソッドに準拠し、ガスクロマトグラフィー質量分析としてGCMS-QP™2020 NXを用いて、ジェット燃料中のFAMEsを分析しました。
2021.06.26
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